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てんとう虫の卵って気持ち悪い ページ6




双方が睨み合う中、そこに入り込んだのはノゼルだった。この男が場を収めようとする様には思えない。ヤミとはまた違った圧力(プレッシャー)にアスタら冷や汗を流した。グリップを握り直したAだが、自分とノゼルの間に出たフエゴレオンが場を収めた。騎士団長の魔法をここで発動させる訳にはいかなかった。
真面目なフエゴレオンが仲裁に入ったのならば、安心して食事を再開させる者も出る。

「二回は見逃しましたよ。」
「あぁ、分かっている。それは戻せ。」

それ、とAの手元に目を向けた。溜息混じりのフエゴレオンに大人しく従ったのに、彼は密かに胸を撫で下ろす。曲者揃いの騎士団の中でも、群を抜いた黒の暴牛。それでもフエゴレオンは、Aには常識があって聞き分けもいい団員だと思っていた。思っていた。過去形だ。ヤミには従順なようだが、同じ大魔法騎士の位でも他の者の言う事はまるで聞かない娘だった。だから、今回大人しくホルスターに戻したAに息を吐いた。ここで何か言い返してこようもんなら、フエゴレオンと言えど場を収めるのは厳しかっただろう。




それは、フエゴレオンとノゼルの魔がぶつかり合った時だった。伝達係が血相変えて部屋へ転がり込んでくる。その口から王都が襲撃されてると知らされた。
これから作戦を立てようという時に、いの一番に飛び出して行ったのはアスタだ。その後をレオポルドも追いかける。二人に呆れてる間にAも部屋を出ていこうとフエゴレオンに背を向けた。

「オマエもか…」
「あんたの言う事を聞く義理はないですよ。私、紅蓮の団員じゃないし。私も好きにやるよ。」

ヒラリと手を振って部屋を出て行く。ノエルは唯一まともだと思っていたAも割と勝手なタイプなのだと知り、小さく肩を落とした。黒の暴牛にそんなものを求める方が間違っている。

狙撃手は援護が花道らしいので→←世知辛い世の中なんてやってられない



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ラッシーはん(プロフ) - 待って返信きた!?すごく続きも楽しみですし書き方参考にさせて頂いてます!!対比しているってとこはアスタ=近距離主人公=遠距離みたいなもんですかね!間違ってたらゴミ出しに出されてきます。そして畑の肥やしに生まれ変わってきます。無理なさらず頑張ってください!! (6月6日 20時) (レス) id: 848084950d (このIDを非表示/違反報告)
Hana(プロフ) - ラッシーはんさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!もう一人のアスタの話だと思って読んでいただけたらと思います。対比してる部分も作りたいなぁと思ってるので、楽しみにしていただけたら嬉しいです! (6月6日 15時) (レス) id: 906e49b810 (このIDを非表示/違反報告)
ラッシーはん(プロフ) - こんなに短く簡潔で面白くて凄いです!!めっちゃ応援してます!! (6月5日 2時) (レス) @page2 id: 722157c700 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Hana | 作成日時:2023年6月2日 22時

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