おやすみの前に (ページ24)

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君色に染めて(景瑚) ページ24

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仕事を終わらせて、今月のご褒美としてとある場所に足を進める。

お店のお姉さんとお話をした後に目当てのものを即購入。

ふふ、やった。嬉しい。

しっかり働いた後なのに気分が軽くて、るんるんで家に帰った。

『ただいま〜』

「おかえり！！」

ドアを開ければすぐ飛びついてくる大型犬をかわしてリビングへ直行。

手に持つショッパーを丁寧に置いて、中にあるものをゆっくり取り出していると、

かわされたことにご不満の彼が覗きにきた。

「ね〜〜〜なにしてんの？」

『ん〜？んふふ、見て！』

「…あ！俺のリップだ！買ったの？」

『そう〜〜〜！買っちゃった！』

じゃん！と見せつけたのは、景瑚たちがモデルを務める某ブランドのマットリップ。

発表されてからずっと欲しくて、ちょうど月末だったからご褒美と称して買ってしまった。

ああもう、パッケージから素敵。持ってるだけでいい大人の女性になれる気がする。

「え〜俺があげるって言ったの断ったじゃん」

『自分で買いたかったんだもん』

「俺が買ってあげるのに！」

実は試作品をもらったからあげると言われたけど断った。景瑚にあげたものを私が使うのはなんとも言えなくて。

むすっとする彼に、にこにこ笑顔の私。

ちなみに何色？と聞く彼に、もちろん景瑚の色だよと伝えると、ならいいや♪と満足そう。

「ね、つけてみて。アヤ絶対似合うよ」

『ほんと？うわぁ…緊張する』

「やっぱ貸して！俺がつけたげる！目閉じて！」

『できるの？』

まかせて！と自信ありげに頬を上げる彼にリップを渡し、大人しく目を閉じると

当たり前のようにちゅっとキスをされた。

目を開けてみれば、てへ♡と舌を出すお調子者。

…憎めない、かわいいな。

もちもちな頬をパシッと叩いてまた目を閉じると、今度はちゃんと塗ってくれた。

すごい、付け心地もいい。

鏡を見れば綺麗に塗られてる。さすが景瑚。

「上手くない？！めっちゃ似合ってる！かわいすぎる」

『うん、上手！よかった〜この色にして』

「こっち向いて？」

『うん？……ちょ、』

振り向けばすぐ近くにある彼の顔に驚くひまもなく、すぐに唇を奪われた。

何度も角度を変えて責められ、頭もクラクラしてくる頃にやっと解放される。

『…リップついちゃったよ』

「もっとつけていいよ？」

『…ばか』

やっぱり景瑚にはこの色が似合うんだよね

薄く色づいた彼の唇に、今度は私からキスを落とした。

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