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拝啓、愛しい君へ(将吾) ページ13

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「はじめまして、田島将吾です」


『はじめまして!』


「これからよろしくお願いします」



最初に彼と会ったのは高校生のとき。


隣の席になってさ、にっこり笑って挨拶してくれたよね



彼が私と彼の出会った時のこと。






「あ、中村さんおはよう」


『おはよう田島くん。眠そうですね』


「いっぱい寝たはずなんですけどね〜」



この時はまだ少し気まずさもあって、苗字呼びだったね。

だって他の女の子からの視線もすごかったんだもん、気づいてた?笑


みんながたじって呼ぶ中、私だけ田島くん呼びだったの、ちょっとだけ気に入ってたな。






「アヤちゃん、俺も手伝うよ」


『ほんと?ありがとう田島くん』


「あ、また苗字で呼んでる。それやだぁ」


『あっ将吾くん笑』



だんだん仲良くなって、名前で呼んでくれた時は嬉しかったなぁ。

私は慣れてなくて、何度も間違えてごめんね?笑


名前を呼んだら嬉しそうにふわふわな笑顔でこっちを向いてくれたの、よく覚えてる。







「アヤちゃんのことが、好きなんだけど…よかったら、付き合ってくれますか…?」


『うん、もちろん』


「えっほんとに!うわぁ…嬉しい、ありがとう」


『私も嬉しい。…よろしくお願いします』



誰もいない教室に残って、恥ずかしそうに告白してくれたよね。

私も好きだって伝えたときの笑顔、いまでも忘れられないもん。


初めての彼女だって言ってくれたのも、本当に嬉しかったっけ。


手を繋いで帰ったの、しあわせだったなぁ。







出会ってからずっとさ、


喧嘩なんてしたこともなくて


すべてが順調で、うまくいってたよね。






うまく、いきすぎてたのかもしれないね。









「アヤちゃん、俺、韓国に行くことになったよ」



『…もう決まってるの?』



「…ほんとに、ごめんね」



『…お別れしなきゃいけないの?』



「ごめん、ほんとにごめん…」




将吾くんの泣き顔を見たのはその日が初めてだったね



なんで勝手に決めちゃうのって

なんで私には相談してくれなかったのって


怒りたかったのにさ。


あんなに辛そうに抱きしめられたらさ、何にも言えなかったよ。


将吾くんを嫌うことなんて出来ないから。









「INIの田島将吾です」




手の届かないところへ行ってしまっても

将吾くんとの思い出を無かったことにはしないよ。



もう返事は返ってこないけど、

それでも私は、あなたの名前を呼ぶよ




がんばれ、将吾くん。




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作者名:らん | 作成日時:2021年9月20日 4時

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