3 第一高等学校 ページ3
「柊Aです。食べることと動物が大好きです。よろしくお願いします」
パチパチと拍手されつつ、ありがちな主人公席に座る。目の前には、ちゃらそうな金髪。
「よろしくな、おれ、」
「出水公平?」
「あ〜やっぱ知ってる感じ?」
A級、太刀川隊の射手。
出水くんは小さめな声で続ける。
「ボーダー関係者だろ?」
「……どこ情報?」
「おれは自分の隊長から聞いた」
「まじか」
噂にでもなってるのか?
「おーいお二人さーん、仲良いっすねー!!」
「うっせー槍バカ」
「弾バカにゃ言われたかねぇ」
話しかけてきたのは出水くんの前の席に座ってる、この人もA級隊員だと記憶していた人物。
「で? ボーダー隊員? どっから来たわけ?」
「一応市内に住んでたよ。蓮乃辺寄りだったけど」
「引っ越してきたの? 寮生活?」
「どうだろね〜。あと、もう授業始まるみたいだけど」
適当に返すと、三輪隊の、確か米屋くんは慌てて前を向いた。
…………
………
……
…
「おいA」
昼休みになり、教室の外から聞こえた声。影浦さんだ。
「影浦さんじゃん、え、知り合い?」
出水がそう言って私を見たので、影浦さんの従妹だというとこまでは広まっていないことを知った。
「あ? このクラス米屋と出水居んのか」
「カゲ先輩珍しいっすねー! 後輩の教室来るなんて!」
「コイツ呼びに来ただけだ。おいさっさと来い」
「その言い方だと私これから決闘でも申し込まれるのかと思っちゃう」
「アホ言ってねえでさっさと来い」
うーん、わかってはいたけど推しがクールすぎる。
ざわつく教室を後にして、影浦さんに連れてかれたのは、屋上。
「っ!?」
途端に寒気と吐き気に襲われる。
「A?」
「ぅ、うあ、あ……」
「A!?」
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作者名：紫 | 作成日時：2020年6月4日 0時
