【文スト】【名探偵コナン】雨の中で最初に濡れる弐 (ページ3)

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噂の子供探偵と配達員に挟まれてページ3

《黒の組織が異能力組織と手を組む事に成れば、黒の組織の勢力は格段に上がる。
そして、何れヨコハマにも影響を及ぼすでしょう》

安吾は、今確信を持ってこの話をしている。

陽がこの話を断らないと言う確信。

何故ならば＿＿＿＿

『ヨコハマに手を出すと言う事は、武装探偵社＿＿治君に手を出すと同等の事。
………癪ですけどぉ、黒の組織、殲滅させてもらうのですよぉ～！』

そう、全ては愛弟子、太宰の為に。

ブラコン、シスコンならぬ弟子コンの陽。

元気よく承諾の返事をした陽は、机にあった万年筆を手で回しながら言う。

『治君に危害を及ぼす組織なんてぇ、私がぎったんぎたんのばっこんばこんにしてやるのですよぉ～』

可愛らしい言い回しだが、陽のぎったんぎたんのばっこんばこんが、唯の幼稚なぎったんぎたんのばっこんばこんでは無い事に、安吾は気付いてしまう。

相手にされてぎったんぎたんのばっこんばこんにされた組織を想像すれば、思わず手を合わせてしまった。

《異能特務課も協力しますので、勝手に動き出さないでくださいね》

『ええ～、それは嫌なのですよぉ～。
安吾君がお酒奢ってくれるなら良いのですよぉ～？』

《嫌ですよ》

『じゃあ勝手に動いちゃうのですよぉ～』

《わかりました、奢れば良いんですよね、奢れば。
……………………此方の給料の事も考えて下さいね》

「有難うなのですよぉ～」と言って安吾との電話を切れば、陽はどの様に組織を潰そうか考え始めた。

先ずは、組織の首領を………否、組織の実力者を潰して絶望させるのも良いな。

などと呑気に鼻歌を歌いながら考える。

組織がぼこぼこになっているところを想像すれば、大分気分も良くなってきたので、安吾の酒の件は見逃してあげても良いかな、と優しい考えを持ち始める陽。

そんな時、玄関の呼び鈴が鳴った。

「＿＿＿＿お届けものです。
坂口安吾様からです、魚住様のお宅で間違い無いでしょうか？」

「＿＿＿＿あれ？
陽お姉さん、此処に住んでたの？」

＿＿＿＿訂正、安吾にはロマネコンティを買って貰おう。