【鬼滅の刃】一妻多夫制の柱さん

お館様 拾肆 ページ20

心地いい声が聞こえ、その方向を見ると二人の女の子に手を繋がれている男性が立っていた。


産屋敷｢お早う皆。今日はとてもいい天気だね。
空は青いのかな？｣


もしかして目が見えてないのか?


産屋敷｢顔ぶれが変わらず半年に一度の柱合会議を迎えられたこと、嬉しく思うよ｣


傷……いや、病気か？
この人がお館様？


そう思っていると、傷だらけの男に突然頭を地面にドゴッと叩きつけられる。
速い!!全く反応できなかった……!


抵抗しようとすると男の頭をA姉さんが叩いた。
顔を見るに怒っているようで、それを見た男は地面に押し付ける力を少し弱くしたようだ。
それでも俺の頭から手を離さないのを見たA姉さんは、はぁ…と小さい溜息をついてから隣に跪(ひざまず)いた。


するとザッと他の柱の人達も同じようにその場に跪く。
ピンッと張った空気の中、男が口を開けた。


不死川｢お館様におかれましても御壮健(ごそうけん)で何よりです。
益々のご多幸(たこう)を切にお祈り申し上げます｣


知性も理性も全く無さそうな人なのにきちんと喋りだした事に驚いた。
人は見た目によらないってこの事なのか…………。


産屋敷｢ありがとう、実弥｣


甘露寺｢(私が言いたかった……お館様にご挨拶…)｣


不死川｢畏れながら柱合会議の前にこの竈門炭治郎なる鬼を連れた隊士について、
ご説明いただきたく存じますがよろしいでしょうか｣


そう丁寧な口調で男が話すと、お館様と呼ばれた男性は目をそっと閉じてから話し出した。


産屋敷｢そうだね。驚かせてしまってすまなかった。
炭治郎と禰豆子のことは私が容認していた。
そして皆にも認めてほしいと思っている｣


柱(冨岡、A除く)｢!!｣


その言葉を聞いた柱たちに衝撃が走り、次の瞬間には口々に意見を述べ出した。


悲鳴嶼｢嗚呼…たとえお館様の願いであっても、私は承知しかねる……｣


宇髄｢俺も派手に反対する。鬼を連れた鬼殺隊員など認められない｣


甘露寺｢私は全てお館様の望むまま従います♡｣


時透｢僕はどちらでも…すぐに忘れるので……｣


胡蝶｢………｣


冨岡｢…｣


伊黒｢信用しない、信用しない。そもそも鬼は大嫌いだ｣


煉獄｢心より尊敬するお館様であるが、理解できないお考えだ!!
全力で反対する!!｣


不死川｢鬼を滅殺してこその鬼殺隊。
竈門·冨岡の両名の処罰、そしてAから庇った理由を聞くまでは納得できません｣

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