あの夜の話 ページ36
氷浦side
美道山中との試合前日。
俺は雑用ばかりしていたせいか、みんなより試合に対しての不安が大きくて寝られなかった。
部屋にはアナログ時計の時を刻む音と、同室の小僧丸の寝息だけで
それ以外の音は一切しない。
遠くから車のエンジン音やバイクの音が聞こえるけど、
気にならない程度の音だった。
夜は−(ﾏｲﾅｽ)思考になりやすいとよく人は言う。
本当にその通りだ。
俺は明日の試合で何が出来るんだろう……。
足を引っ張ってしまったらどうすればいいんだ…？
相手に、勝てるのだろうか……。
俺は………………＿＿＿＿
そこまで考えてハッとする。
考え込んじゃダメだ。
自信を持たないと……！
そう念じながら目を瞑るが、一向に眠気は俺を支配してくれなかった。
気分を変えようと思い、ベッドから上体を起こす。
小僧丸を起こさないように部屋を出てからベランダに足を運んだ。
少し肌寒かったが、気分を変えるには十分な風だった。
あまり見えない星を眺めていると、後ろから足音と何かを引き摺る音がした。
反射的にバッと後ろを見ると髪は乱れ、パジャマ姿のまま。
クマのイラストが描かれたブランケットを手に、Aさんが虚ろな目で立っていた。
氷浦｢A……さん？｣
名前を呼ぶと、Aさんはピクっと反応を示し俺を見つめてくる。
｢貴利名君……だよな？こんな時間に何してんの…？｣
寝惚けてるのか覚束無(おぼつかな)い足取りで、俺の隣まで歩いてきた。
氷浦｢ちょっと風に当たりたくて……Aさんはどうしたんですか？｣
問うと俺を少し見つめた後、ベンチに座り込んだ。
そして俺にもブランケットを半分掛けてくれながら、
ふわふわとした口調で話出した。
｢ちょっと便所に〜｢そこはトイレって言いましょうよ………｣それはムリー｣
苦笑しながら突っ込むとすぐに否定の言葉が帰ってきた。
なんだか、Aさんらしいな。
｢帰りに貴利名君を見つけて、ついてきたのだよー｣
そう思っていると笑いながら言い、大きく口を開けて欠伸をした。
こんな無防備なAさんは初めて見たかもしれない。
なんか嬉しい……。
いつもは｢元気モリモリアソパソマソ!!!｣とか言ってて
明るい雰囲気だから新鮮だ。
｢このクマちゃん、クマゾウっていうシリーズなんだー｣
Aさんを観察しているとこのクマのブランケットについて
話し始めた。
膝に掛かっているブランケットのクマは『クマゾウ』と言うらしい。
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橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します！とても楽しく読ませて頂きました！今後とも応援しています！頑張って下さい！(*´ω｀*) (2021年11月8日 9時) (
レス) @page38 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
春月卯月(プロフ) - 雪華さん» またまたコメントありがとうございます！他の作品でもコメント下さった時に言ったやつと、最近はモブサイコ100とか見てますよ！ (2019年3月7日 19時) (レス) id: e961db7c14 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 知ってるアニメは何ですか？ (2019年2月18日 22時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
春月卯月(プロフ) - メープルあんり（＾ω＾）さん» コメントありがとうございます！面白い、がとても嬉しい言葉です｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡旦那はほんとに誰にも教えてないので、これからですよ！ちなみに視点をお願いしたキャラは旦那では無いので、いつかの話を更新する度にドキドキして欲しいです！ (2019年1月11日 8時) (レス) id: e961db7c14 (このIDを非表示/違反報告)
春月卯月(プロフ) - 麗音さん» 見てくださって嬉しいです！あの2人の絡みでは、野坂君の違う一面を書きたいな！と思ったので、もちろんたくさん出てもらいますよ！まだまだ展開はたくさん考えてます！お楽しみに！コメントありがとうございました！ (2019年1月11日 7時) (レス) id: e961db7c14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月卯月
| 作成日時：2018年12月16日 23時
