あの夜の話 2 ページ37
氷浦｢クマゾウ……可愛いですね。好きなんですか？｣
聞くとうーんと唸ってから、さっきよりもしっかりとした口調で話した。
｢ファン？では無いんだけど………初恋の奴が私に誕プレでくれてさ。
大切にしてんのよ｣
そう言ってAさんは優しくブランケットを撫でた。
氷浦｢そうなんですね………え？｣
はつこいのひと？は…初恋の人？！
驚きながら言うとゲラゲラと笑いながらまた先輩は話し出した。
｢人に初恋の奴っていうと大体驚かれるわ〜｣
氷浦｢あ、すみません……｣
｢あぁ気にしないで！私も惚れるなんて思わなかったからさー
自分でも驚きだぜ｣
そこまで言ってからAさんは｢そろそろ戻ろうか｣と立ち上がる。
俺も慌てて立ち上がり掛かっていたブランケットを渡すと、
Aさんはお礼を言ってから俺を見つめてきた。
｢…………初恋の奴、聞かないんだな。珍しいわ｣
氷浦｢え、えと……いえ｣
本当は聞きたい。
今すぐ聞き出して、その相手がどんな人なのか知りたい。
でも………
氷浦｢(その人を知った時の事を考えると……心臓が痛くなって、苦しい………)｣
俺は無意識に胸の辺りの服を握る。
Aさんは俺をしばらく眺めると、頭で腕を組む体制に変えてから
また口を動かして話し出した。
｢でも、恋心ってやつはもうないさ。未練はタラタラだけど……
あんな振られ方はもう懲り懲りだし｣
やだやだと言った感じで話した先輩に、ふと気になった事を聞いた。
氷浦｢その、どんな振られ方だったんですか？｣
言った瞬間に気付く。
なんて事だ、失礼な事を言ってしまった……！
どうしようとアワアワしていると、気にする素振りも無く
Aさんは話してくれた。
｢私な？告白する気は無かったんだけど、アイツにはバレてたみたいで
『俺はお前を恋愛対象として見ることは出来ない。
だが、俺にとってお前は大切な存在だ。このまま"仲間"として傍に居てくれ』
だってさ｣
アイツは女心を分かってねぇなーと、ボヤきながらAさんは夜空を見上げる。
俺は恋？とかは全く分からない。
けど、Aさんにとって辛い振られ方なのは表情で分かった。
｢言われた時涙出そうになったよ。一生想いが伝わらないなんてな。
悲しいだろ？｣
氷浦｢そう、ですね……｣
言葉に詰まりながらも会話を続ける。
その時の俺はモヤモヤとした何かを感じていた。
でもそのモヤモヤは、翌日になっても謎のままだった。
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橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します！とても楽しく読ませて頂きました！今後とも応援しています！頑張って下さい！(*´ω｀*) (2021年11月8日 9時) (
レス) @page38 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
春月卯月(プロフ) - 雪華さん» またまたコメントありがとうございます！他の作品でもコメント下さった時に言ったやつと、最近はモブサイコ100とか見てますよ！ (2019年3月7日 19時) (レス) id: e961db7c14 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 知ってるアニメは何ですか？ (2019年2月18日 22時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
春月卯月(プロフ) - メープルあんり（＾ω＾）さん» コメントありがとうございます！面白い、がとても嬉しい言葉です｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡旦那はほんとに誰にも教えてないので、これからですよ！ちなみに視点をお願いしたキャラは旦那では無いので、いつかの話を更新する度にドキドキして欲しいです！ (2019年1月11日 8時) (レス) id: e961db7c14 (このIDを非表示/違反報告)
春月卯月(プロフ) - 麗音さん» 見てくださって嬉しいです！あの2人の絡みでは、野坂君の違う一面を書きたいな！と思ったので、もちろんたくさん出てもらいますよ！まだまだ展開はたくさん考えてます！お楽しみに！コメントありがとうございました！ (2019年1月11日 7時) (レス) id: e961db7c14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月卯月
| 作成日時：2018年12月16日 23時
