【アレスの天秤】皇帝の変人姉さん

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神門side

つくし｢あ、ちなみに！マネージャーのプレカの中では
Aが一番人気なの！兄の風丸さんと合わせられるプレカもあってね！
その2枚を持ってる人は、なかなか居ないの！｣

私は持ってるけどね！と付け足して胸を張るつくしさん。

その2枚のカードを見せてもらうと、Aさんが風丸さんにボトルを渡している様子のカードだった。

つくし｢この様子だけでも信頼し合ってるのが分かるよね！でも………｣

神門｢でも？｣

何かを考えながら、先程見せてくれた野坂君のプレカを指さして言った。

つくし｢私はどちらかというと、Aさんは野坂悠馬君に似てると思うんだ
ほら、髪とか瞳の色とか｣

2人を見比べると確かに風丸さんより、似ている気がする。

そして私は先程、野坂君の名前に過剰に反応した氷浦君を見た。

目が合うとサッと逸らされた瞳。

氷浦君は、何を知っているのかしら。

野坂side

灰崎君とすれ違った後、少し歩くと僕と同じ髪をした後ろ姿が見えた。

僕はその後ろ姿に向かって声をかける。

野坂｢Aさん｣

そう言うと後ろを振り返ってから立ち上がり、
笑顔で手を振ってくれる。

僕も微笑みながら手を振り返し、西蔭と共に姉さんに向かって歩き出す。

｢やっほ、おはようさん｣

野坂｢おはようございます。西蔭、話したけど今日はAさんも一緒に観戦するからね｣

西蔭｢はい、Aさんよろしくお願いします｣

｢おう！エリ………西蔭、よろしくな！｣

野坂｢ふっ……｣

西蔭｢？｣

今またエリンギって言いかけたね。

姉さん、僕、西蔭の順で席に並んで観戦。

姉さんはパッドを素早く操作しながら、フィールドやベンチを気にしていた。

野坂｢雷門の様子が気になりますか？｣

｢まぁね、大事な仲間だし。……( ﾟдﾟ)ﾊｯ!｣

西蔭｢どうかしましたか｣

いきなり立ち上がって震え出した姉さん。

西蔭が聞くと泣きそうになりながら口を開いて言った。

｢みんな………スポンサーのロゴ付きユニフォーム超似合ってるぅぅぅ!!｣

思わず顎に当てていた手をズルッとさせてしまった。

西蔭は静かに目を閉じてあぁ…みたいな感じだ。

｢ライセンスカード作ったんだ！うわぁ、みんな良いわ〜
でも、剛陣ヤバいな｣

笑いながら言う姉さんに少し苦笑する。

その時、西蔭が僕達を見て唐突に聞いてきた。

西蔭｢あの、お二人はどういう関係性なんでしょうか｣

僕と姉さんは顔を見合わせて一緒に言った。

野坂、A｢友達、かな｣

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