○story17 ページ17
.
硬い…!!いや、動かない!!なにこれびくともしない……!?
私は両手、相手は片手なのに……!!
Aに向けてナイフを振り下ろしたそばかすの彼女はそんなことを考える。
油断しているから確実に殺せたと思ったのに、と。
すると突然ぶわっ、と波のように伝わってくる殺気。
自分の頭と胴体が切り裂かれる様子が容易に想像できる程だ。
もちろんこれはそばかすの女が発した殺意ではない。
Aが発した殺意である。
彼女は気を失いそうになるところをぐっと持ちこらえてAから離れた。
このまま距離を縮めていたらどうなっていたか。
そばかすの女が距離を取ったのを、冷めた目で見たAは先程しまったスマホを再び取り出した。
着信先を確認した彼女はため息をこぼした後、持っていたナイフを投げ捨て自分の耳にスマホを持っていく。
「南雲さん、まだ何か用でも?」
《A今何かしてるー?》
「死刑囚の処理中です」
《あ、死刑囚見つけたんだ。よかったね〜〜》
「そうですね。それで要件はなんでしょう」
《スラーについてのことなんだけどさ》
「あ、少し待ってもらってもいいですか」
彼らが話している間にもそばかすの女は攻撃を仕掛けてくる。
そんな彼女を鬱陶しいと感じたのか、Aは煙幕を投げた。
辺り一帯が煙に巻かれる。
こうなれば相手がいつ攻撃してくるかわからない。
女はそう考えたのか、煙がない場所へ移動する。
それが仇となるのも知らずに。
煙が巻かれていない場所へと避難した女はAを探す。
絶対にあの眼を保存して鑑賞するんだ、と意気込んで。
どこに消えたの…?いや、あの煙の中にいるのは確実。なら銃でも使って___
「状況判断力が甘いですね」
Aはくるくると鎌を回しながら女の首目掛けて一閃。
いったいどこからそんなモノが出てきたのか。
女はそんなことを考えることもAを認識することもできずに事切れる。
それは数秒の出来事であった。
鎌についた血を掃った後、Aは「突然止めてすみません。続きをどうぞ」と口を開く。
《早いねー!さすがSランク》
「ランク云々で仕事してたらこの世界で生きてけませんよ…」
《あはは、確かに!そういえば今回は何を使って殺したの?》
「鎌ですけど…そろそろ本題に入りませんか?」
《ごめんね〜、死刑囚のリスト見てほしいんだけど…》
.
105人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SAKAMOTODAYS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
飴(プロフ) - 続きみたいです (1月17日 23時) (レス) id: 5dbd17dea3 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - わぁぁ!!更新ありがとうございます〜!!!とても面白いです!応援してます〜 (1月12日 22時) (レス) @page21 id: 15ea9621b8 (このIDを非表示/違反報告)
夜(プロフ) - 続き、見たいです (11月19日 21時) (レス) id: 69bcc1908b (このIDを非表示/違反報告)
Dorothy(プロフ) - skmt夢はなかなか見つからないので有るだけでもありがたいです。更新、ゆるりとお待ちしてます。頑張ってください (10月25日 8時) (レス) @page20 id: 7168971a27 (このIDを非表示/違反報告)
りゅーむ(プロフ) - @さん» コメントありがとうございます。面白いと言っていただき嬉しいです…! (8月6日 16時) (レス) id: a97d12a549 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りゅーむ | 作成日時:2023年7月26日 17時