しょんぼり ページ2
A視点
今から
イアとアジムが駄々を捏ねていて,出発できない状態だ
なぜ駄々を捏ねているのかというと…
「やです!ぼくもお兄様と一緒の馬車が良いですー!!」
「私もです!だって馬車の中で話せなかったら お兄様は挨拶で私たちの近くに居ない状態じゃないですか!」
『できるだけ早く挨拶済ませるから…』
「それで早く帰ってこれたこと全然ないじゃないですか!」
『うっ…』
実際帰ってこれたことがあまりないため何も言えない
そんなにデビラム好きじゃないから回数は少ないと思うんだけど、ほとんど女性に捕まってたからなぁ…
それに、アリスと喧嘩した時から、デビラムに参加すると噂話大好きな連中に絡まれるから,今日は"仲直りしました"ってのを伝えるために行くというのが結構本命だったりする
理由は聞かされていないが,人数の関係で俺と父上,それ以外となるらしい もっと大きい馬車もあるのに何故…?
『とにかく、一緒には行けないよ』
兄らしいことを言ってみるAだが顔には
"俺もそっち乗りたい"
と、書いてあった。
「「そんなぁ…」」
しょんぼりと文字が出てきそうな位しょんぼりするイアとアジム
その右隣で目立ってはいないが悲しそうな顔をするアメット
そして、"うちの弟らと妹が世界一"と内心思うA
「…そろそろ時間だ」
「そうね(写真を撮りたいところだけれど)、Aはそろそろ馬車に乗りなさい」
『はい
じゃあ、帰ってきたら沢山話そうね デビラム中はビオレとリリーと一緒に話すのがいいんじゃないかな』
「そうですね イア,アメット,見送りするぞ」
「「はーい」」
漸く出発することになったA家
馬車に乗り込み、窓から顔を出す
声は届かないから手を振り返したりしていると、馬車が動き出した
窓に反射する自分を見る 今日はツノに飾りをつけている 当主の証みたいなものだね
カーテンを閉め、静かになる車内
気まづくなると思っていたが、以外と心地の良い空間である
しばらく時が進み、もう着くと声が掛かる
それをきっかけにしたのか父上は口を開いた
「アリスとは,もう仲直りしたようだな」
『えぇ,お陰様で 昔より話が弾んでますよ(主に入間関係)』
「それは良かった …A達が喧嘩をしている時,大したこともしてやれなかったからな」
『えっ』
つい声を出し,目を見開いてしまう
…父上が1番俺たちの関係を保とうとしていたことを、俺は知っている
それなのに…_
。
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作者名:桐原ロック | 作成日時:2022年3月25日 0時