原石と雪男、体調悪いんだって 3

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渡辺side



男1「っ、お前仲間呼びやがったな！！」

渡辺「いや俺は…！」




呼んでない


けど、

来てくれたことが嬉しくて

涙が出そうになる





深澤「おい！！今すぐ翔太返せよ！！」




ふっかのデカい声が響き渡る


でも男は鼻で笑って

「返すわけねえじゃん」

そう言って、ポケットをゴソゴソし始めた




宮舘「警察はいつでも呼べる。それ以上何かしたら罪が重くなるだけだぞ」




涼太の冷静な声



でも男は同時なくて、

はぁ、と大きなため息をついたかと思えば

涼太とふっかの方に何かを向けた




男1「…刺すぞ」


2人の顔が強張る

男の手元を見てみれば

それはナイフで、


先端が嫌に光っている



宮舘「やめろ、俺を刺したら傷害罪で当分の間は留置場行きになる」

男1「それがなんだよ…これは復讐なんだ」

深澤「…復讐？」

男1「ああ、そうだ、ちょうどいいな。…計画変更だ。こいつを殺すんじゃなくてお前らを殺す」



男は俺の方をチラッと見て

嫌な笑顔を浮かべる



男1「もしもここであいつらが殺されたらどうだ？お前は一生この時のことを思い出しては後悔する」



なんで助けられなかったんだろう、ってな


そう男は言うと、

ゆっくりと2人の元へ歩き始める



渡辺「やめろ！！2人とも逃げろ！！」

深澤「でも翔太、！！」

渡辺「いいから早く！！」




逃げろ、早く

今は俺のことはどうでもいい



とりあえず逃げてくれ



そう思ったけど

入り口は他の男が塞いでいて


それに2人も気付いて、

ピタッと足を止めたかと思えば、


涼太が男の方を見据えてこう言った



宮舘「俺はどうなってもいい、だから翔太は、」




男は涼太の顔を見つめたあと、


「泣けるねえ、映画みたいだ」

と言って、

「わかった、そこまで言うならそうしてやる」


と不敵な笑顔で言った







助けなきゃ、

涼太を助けなきゃ、


思いだけが先走って、

足の縄を解こうと体を捻るけど

なかなか解けなくて



渡辺「クッソ、…なんでだよ、！」



イライラしていたところで

スルッと足が抜けた





慌てて涼太の方を見ると、

男が涼太にナイフを振り上げてるところで



それを守ろうとふっかが前に出てるのが見えた





2人は巻き込みたくない

これ以上怪我をさせたくない








気付いた時には足が動いてて、



涼太とふっかの前に立ち塞がったと同時に




お腹に

ズブっと

何かが刺さる感覚がした

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