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西川｢普通に俺とキャッチボールしてたんですけど、ルーキーの奴らが失敗したボールが飛んできて。そのボールが卓さんの頭に当たって。結構な衝撃だったらしくてそのまま倒れちゃって。｣
あなた｢え･･･｣
西川｢その場にいたみんなで医務室に運んで。俺がルーキーたちを説教してたら卓さん目覚まして、俺のことみて俺何日寝てた？って言うんです。｣
あなた｢それって･･･｣
西川｢はい。卓さん、自分が記憶無くしてたこと覚えてないらしいんです。だから、目覚めた直後はまだ日本シリーズが終わったばかりだと思ってて。｣
あなた｢だからあんなに騒いでたんですね･･･｣
西川｢すみません、Aさんは新婚なんやからやめてくださいって言うたんですけど、そしたらもっと暴れてしまって･･･｣
そうだ。卓也さんの記憶があの日で終わってるなら、私と祐輔くんは結婚してない。
なのに自分が寝てる間に結婚してるなんて言われたらそりゃ怒るだろう。
西川｢旦那さん、許してくれました？｣
あなた｢実は、祐輔くん今東京でテレビ収録してて。家にいなかったんですけど、緊急の用事だったのでLINEで伝えたら、返事が帰ってこないんですよね･･･既読はついてるから気づいてはいると思うんですけど。｣
そう言うと、西川さんは少しだけ考える素振りを見せた。
あなた｢西川さん？｣
西川｢いえ、なんでもありません。｣
少しするとキャンプ場について、西川さんについて中に入ると卓也さんがベンチに座って項垂れていた。
西川｢卓さん、Aさん来てくれましたよ。｣
西川さんがそう言うと卓也さんはバッと顔を上げて私を見た。
中島｢A･･･お前、結婚ってほんまか･･･？｣
あなた｢･･･はい。もう役所に届け出して、結婚式の日程も決まりました。｣
中島｢相手は･･･｣
あなた｢カープの、野村祐輔さんです。｣
そう言うとやっぱり･･･と呟いてベンチに落ちた。
あなた｢卓也さん、あの時はほんとにすみませんでした。私、あの時周りなんにも見えてなくて･･･｣
中島｢そんなん別にええよ。野球には支障なかったわけやし。｣
あなた｢でも･･･｣
中島｢なんで･･･なんで野村さんなん？俺かてAのこと好いとったよ。高校でやっと付き合えたけど北海道に来て、それでもAのこと忘れた日はなかったのに･･･｣
だんだんと語尾が荒くなってきて、目に涙が浮かんでるのが分かる。
あなた｢卓也さん･･･｣
中島｢なんでや･･･｣
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作者名：蒼暉 | 作成日時：2018年4月4日 15時
