64.〜Y.N〜 ページ15
今日はジョブチューンの撮影日。
午後から撮影が始まるので今広島にいる俺は朝早くから出かけなきゃいけないわけだけど･･･
野村｢ねぇ･･･俺そろそろマジで出ないとまずいんだけど･･･｣
あなた｢待って待って！あと1枚だから！｣
Aが慌てて紙を書き上げる。
俺たちの結婚式の招待状だ。
結婚式にこだわってるAは、招待する相手の名前だけは手書きで書きたいと1枚1枚丁寧に書いていた。
関係者だけとはいえ50枚以上あったのに･･･
そして駅のすぐ側にあるポストに入れてきて欲しいと待たされているのだ。
あなた｢出来たー！はいこれ、よろしくね。収録頑張って。｣
野村｢ん、わかった。じゃ、行ってくる。｣
あなた｢いってらっしゃい。｣
引っ越したばかりのマンションを出て駅に向かう。
もうこの道筋もだいぶ慣れた。
野村｢いってらっしゃい、か･･･｣
結婚して家族になったんだから普通といえば普通の会話。
でもなぜかAに言われるとすごく特別な言葉に聞こえる。
俺、相当やばいかも･･･
駅でポストに招待状を入れてから改札に向かうと見慣れたやつが待っていた。
野村｢安倍。もう来てたんだね。｣
安倍｢おう。ちょっと早く来すぎたんや。まぁでもこれくらいなら大丈夫やろ。行くで。｣
2人で新幹線に乗り込んで東京に向かう。
安倍｢お前新婚生活どうなん？｣
野村｢どうって･･･何が？｣
安倍｢引っ越して今2人で暮らしてるんやろ？お前家事とか一切出来んやん。｣
野村｢うん。｣
安倍｢家事全部橘さんがやっとるん？橘さん仕事もあるやろ。｣
野村｢俺今料理の勉強中。｣
安倍｢え！？｣
野村｢Aはアスリートフードマイスターの資格取ってないから今その勉強してるんだよね。だからそのあいだ俺二人分の料理してる。｣
安倍｢お前の料理って絶対手抜きやろ。｣
野村｢そんなことないし。｣
安倍｢え、じゃあ橘さん仕事に加えてアスリートフードマイスターの資格の勉強もしてんの？｣
野村｢んー、新しい職場が結構大手で、人いっぱいいるから新人のAに回ってくる仕事あんまりないらしくて。空いた時間に結構やってるみたいよ。｣
安倍｢ウエディングプランナーも大変やなぁ。｣
野村｢俺らはシーズンが終われば自主トレとかしない限り休みだけど、Aは1年中仕事だしね。｣
安倍｢そこがまた難しいんよな〜気づかんうちにすれ違いとか起こして離婚すんなよ？｣
野村｢すれ違い･･･気をつける。｣
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作者名：蒼暉 | 作成日時：2018年4月4日 15時
