距離感２ ページ32
「うん。あ！もしかして食べてきた？」
てっきり連絡がなかったから家で食べるのかと思い込んでいた。
「ううん！食べてない。
……もう、ヌナごはん作ってくれないのかと思ってたから…」
悲しそうな声に思わず振り向くと、彼の瞳が微かにうるんでいた。
「ええっ、ごはん作るよ！？なんで？」
「だって…最近休みの日も全然誘ってくれないし、買い出しも付き合わなくていいって…」
拗ねたように唇を尖らせる様子がとんでもなく可愛い。
「あ、それはその…ジミンちゃんを自由にしてあげたくて…」
「自由？」
綺麗な瞳がまっすぐにこちらに向けられる。
「ジミンちゃんまだハタチだし、あんまり私にばかり付き合わせちゃいけないと思って」
へへ、と笑うとジミンちゃんがずいっと一歩距離を詰めた。
急に近づかれてつい体をそらしてしまう。
「なんでそんな悲しいこと言うの」
眉を寄せて怒ったような表情で見つめられた。
「えと…その…スリョンに言われて…」
「何て？」
間髪入れずに問われ、なんとも言えない威圧感に負けた私は全てを白状した。
「そういうことだったんだ」
「う、うん。ジミンちゃんのプライベートを私1人が奪っちゃいけないなと思ってね」
ははは、と頭をかいて冗談めかしてみたものの、ジミンちゃんは真顔のままだ。
「奪われてるなんて思ったことないよ」
「そ、そうなの？
…でもさ、友達と遊びたい時とかもあるでしょ？私に誘われたら断りにくいだろうし…」
「友達よりヌナの方が大事だもん」
ジミンちゃんーーーー！
なんてこと言うのあなたは！
その一言で私の脳内がお祭り騒ぎを始めた。
「僕はヌナに気を遣って一緒にいるんじゃないよ。僕の意思でそうしてるんだ」
澄んだ黒い瞳が私を見据えた。
「私…ウザくない？」
「ウザいなんて思うわけないでしょ」
ピシャッと返される。
「ジミンちゃん…無理してない？」
「してない」
即答だ。
「えー…ほんとにぃー？」
ホッとした私は半泣きでジミンちゃんの服をぐいぐい引っ張った。
子供か…と自分でも突っ込みたくなったけれど何より嬉しさが優っていた。
「ほんとだよ。
もう、ヌナのバカ。
…嫌われたのかと思った」
服を掴んでいた私の手をきゅっと握る。
見上げるとジミンちゃんもちょっと泣きそうな顔をしていた。
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もりぞう(プロフ) - すみれさん» ありがとうございます！！嬉しいです(^^) (5月31日 11時) (
レス) id: a002e2b5b9 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ - 素敵なお話ですね。 (5月19日 18時) (レス) @page28 id: edc49f412e (このIDを非表示/違反報告)
もりぞう(プロフ) - miiさん» コメントありがとうございます！好きと言ってもらえてとても嬉しいです(^^) (2021年8月18日 20時) (レス) id: a002e2b5b9 (このIDを非表示/違反報告)
mii(プロフ) - はい、好きー (2021年8月18日 7時) (レス) id: d47eb74ff4 (このIDを非表示/違反報告)
もりぞう(プロフ) - けろるさん» コメありがとうございます！最高過ぎなどと言ってもらえて本当嬉しいです(〃ω〃)これからも頑張りますー(*´∇｀*)よろしくお願いします！ (2019年2月25日 22時) (レス) id: a002e2b5b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もりぞう
| 作成日時：2019年2月3日 20時
