プロローグ ページ1
飲み会の帰り道。
繁華街を駅に向かって歩いていると閉店したお店の前で項垂れている男の子が目に入った。
いつもなら見て見ぬ振りで通り過ぎるのに彼の艶のある黒髪からのぞく白いうなじが妙に目について恐る恐る近づいてみることにした。
酒に酔っているのか眠っているみたい。
顔を覗き込むと私よりずっと若そうだった。
「あのー、こんなところで寝てたら風邪引くよ？」
思い切って声をかけてみる。
10月とはいえ夜はかなり冷える。このまま放っておくのは忍びない気がした。
「……う…ん」
目は閉じたままだったけれど少し反応が見られてホッとする。
「家はどこ？一緒に駅まで行ってあげる」
「……ない」
「え？」
「家は…ない」
ホームレス？
身なりからしてそうは見えない。
「とりあえず立てる？こんなとこで寝てちゃだめだよ」
「……」
薄く目を開くと私の顔をぼーっと見つめる。
「ヌナの家に連れてって？」
虚ろな目をしている。
やはり酒に酔っているようだ。
本来ならこの時点で彼を見捨てて立ち去るべきなんだろうけどなぜだか私にはこの男の子を放っておくことができなかった。
「わ、わかった。いいよ」
まるで魔法にでもかけられたかのようにそう口走った私に彼は目を細めてにっこりと微笑んだ。
それが私と彼…ジミンちゃんとの出会いだった。
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もりぞう(プロフ) - すみれさん» ありがとうございます！！嬉しいです(^^) (5月31日 11時) (
レス) id: a002e2b5b9 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ - 素敵なお話ですね。 (5月19日 18時) (レス) @page28 id: edc49f412e (このIDを非表示/違反報告)
もりぞう(プロフ) - miiさん» コメントありがとうございます！好きと言ってもらえてとても嬉しいです(^^) (2021年8月18日 20時) (レス) id: a002e2b5b9 (このIDを非表示/違反報告)
mii(プロフ) - はい、好きー (2021年8月18日 7時) (レス) id: d47eb74ff4 (このIDを非表示/違反報告)
もりぞう(プロフ) - けろるさん» コメありがとうございます！最高過ぎなどと言ってもらえて本当嬉しいです(〃ω〃)これからも頑張りますー(*´∇｀*)よろしくお願いします！ (2019年2月25日 22時) (レス) id: a002e2b5b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もりぞう
| 作成日時：2019年2月3日 20時
