3話 ページ5
「旦那様！ みやび様、豊臣様。私、旦那様を見つけましたので行って参りますわ！ ご一緒できて嬉しかったです。ありがとうございました！」
ホールに向かう人ごみの中に想い人を見つけ、居ても立っても居られなくなった馨はその人目掛けて走り出した。
「あ、ちょっ！ 誰なんやろ、心に決めた人って」
「これから同じ時を過ごすのですから、きっとすぐにわかりますよ」
「それもそっか」
と、2人がそんな会話をしていた事は知らない。
「だん……清正様！」
「馨！」
ようやく想い人……加藤の元に辿り着いた馨は、感極まったあまり思わず抱きついたが、体幹がしっかりしている彼は難なく受けとめた。
「何処行ったかわからんくて心配したくさ！」
「すみません、気付いたらはぐれておりましたので……校門の方に戻ったら面白い方々に会ったんですよ」
「それは後でいっぱい聞かせてもらうくさ。それより、飴舐めながら走ったら危ないくさ」
「そうでしたわね、次からは気を付けますわ。でも、旦那様にお会いできたのが嬉しくて」
「……仕方のないやつくさ」
「ふふ、そうですわね」
互いしか眼中にない2人は全く気付いていない。自分たちが周囲からとんでもない目で見られている事なんて。
僻む者、羨む者、二度見する者、何やら顔を赤くさせる者……様々だ。
「行きましょうか」
「ああ」
自然と繋がれた手に驚きつつも、やはり安心する手だと、馨は1人笑みを浮かべた。
集まったホールにはジャージの生徒の方が圧倒的に多く、特進クラス以外はそうなのだと納得する。クラスメイトかそうでない人の違いがはっきりしているのは助かりますね、と。
「あら、みやび様」
「？」
「先程お世話になった方ですのよ。それにしても……特進クラスには女は私とみやび様しかおりませんのね」
「絶対、俺から離れるんじゃなか」
「はい、心得ていますよ」
いいこ、と言わんばかりに馨の頭を撫でる加藤の頭は、先程迷子になっていた事などすっかり忘れてしまったらしい。
「一同、注目！」
しばらくすると、理事長が水晶の中から現れた。その異様な状況に、多くの生徒がざわついた。
「こわい……」
「話って何だ？ バケモン」
「あら……確かに怖いですわね」
理事長曰く、誰が一番強いのか、天下を取るかを決めるために旗印戦が行われるらしい。
「旗印戦、開幕！！」
物騒な日々になりそうですわね、と馨はこっそりため息を吐いた。
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タカコ(プロフ) - 嬉しいです！楽しみにしてます！ (2022年10月6日 11時) (
レス) id: e1a7229537 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - タカコさん» 旗印戦のあれこれは本編にねじ込む予定です。馴れ初めは番外編に入れてもいいかもしれませんね！ ご意見ありがとうございます！ 近日中に出す続編でも番外編について触れてみようと思います！ (2022年10月6日 11時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
タカコ(プロフ) - はい、最終回後の話やドラマでは無かったオリジナルの旗印戦、加藤くんと夢主ちゃんの馴れ初めなんかを読んでみたいです(*≧∀≦*) (2022年10月6日 8時) (レス) id: e1a7229537 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - タカコさん» コメントありがとうございます！ 今のところ考えてはいませんが、こういうシチュエーションが見たい！ という希望が多く集まればやる可能性もあるとは思います。最終回より後の話を番外編にするのもアリですね🤔 (2022年10月6日 2時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
タカコ(プロフ) - Chiharuさん、一つ質問します。この小説の番外編って作る予定は無いですか？ (2022年10月5日 23時) (レス) id: 3e1c504208 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Chiharu | 作成日時：2022年9月25日 5時
