131話 ページ33
次は口田君の部屋。ねぇ、よくないと思う。ほんとに。
「白くてふわふわのもふもふ……！！」
ふらっと吸い寄せられるようにうさぎさんの方へ向かおうとすると、繋いでいた手に力が込められた。
「俺だってふわふわしてる……」
「…………ん！ 今は色んな意味でふわふわだね！」
あっぶな！ かわいさで死ぬかと思った！ 焦凍くんしか勝たんってやつだ。しんどい、すき。
このままのほほんと終わってほしかった。わーすごーい、みたいな幼稚園児の感想レベルで平和に終わってほしかった。
だ と い う の に ！
釈然としない。たったその一言が事態を急変させた。
「男子だけが言われっぱなしってのは変だよなァ？ 【大会】っつったよな？ なら当然！ 女子の部屋も見て決めるべきじゃねえのか？」
どさくさに紛れて女子部屋が見たいだけだろ！！ そう思ったけど言えなかった。芦戸が楽しそうな顔してる。
「誰がクラス一のインテリアセンスの持ち主か、全員で決めるべきじゃねえのかあ！？」
「いいじゃん！」
「「えっ」」
私とじろちゃんの声が重なった。冷や汗がたらりと背中を伝った。が、一旦共同スペースに集まり話し合いが行われる事に。
「ロッ、ロビ！ アーチャー！！ 今すぐに
「往生際悪いぜ〜？ 観念して楽しみましょーよ」
「そうだよ優作。せっかくだからこういうのもいいじゃない」
「君ら一体誰の味方なの！？」
いやだいやだと喚いていると、焦凍くんがじっと私を見ていた。
「優作の部屋……見た事ないから見てみてぇ。だめか？」
「だめ……じゃないけどその…………」
恥ずかしさで顔を隠そうにも、片方の手は繋ぎっぱなしのため叶わず。
くそぅ、観念するしかないか。
「……よしアーチャー！ 私と焦凍くんを！」
「決意何処行った！？」
とまあ本気8割の冗談はさておき。クラス1のインテリアセンスをもつ部屋王を決める事に。男子棟4階からリスタート。
爆豪君はくだらないからと寝てるらしい。くそっ、凸ってやろうか。
「じゃあ切島部屋！！ ガンガン行こうぜ！！」
眠いからと、4階は切島君の部屋から見る事に。
「どーでもいいけど多分女子にはわかんねえぞ。この漢らしさは！！」
「ん、暑苦しいね。切島君らしいっちゃらしいけど」
女子には不評だった。それはもう、とことん。うちのロビンもちょっと泣いてた。
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作者名：Chiharu | 作成日時：2021年8月23日 2時
