123話 ページ25
「ゔっ…………!」
黒い衝撃波のような何かに襲われ、壁に叩きつけられた。すぐにらぎーさんが駆け付けてきてくれたけど、これくらいはどうって事ない。
「睡蓮! 大丈夫っスか!?」
「忘れました? 私は人じゃあないんです。このくらいの傷、怪我なんて言いませんよ。それより、あずーるさんです」
最悪の展開になった。あずーるさんの後ろには、顔のない化物がいる。あれもいつもの事、か。
おばぶろしてしまった彼には、蛸の足が生えていた。じぇいどさん曰く、あれが海の中での姿だそう。蛸の人魚ってことかな。
「……ぅ」
小さく唸った私にらぎーさんが目敏く気付いた。大丈夫か、と問う彼に、大丈夫だと言う余裕さえない。蛸の人魚に、兄様の髪。知恵の板が全て埋まるような、そんな感覚がした。それでも、まだ全部がわかったわけじゃない。
「わあ、大変だ」
あずーるさんは、私を狙っているらしい。防御魔法使おうにも、自分には使えないからどうしよう、なんて思ってたら、れおなさんが守ってくれた。そういやこの人、防御魔法得意だったもんね。
「すみません、ありがとうございます」
「ボーッとしてると死ぬぞ」
「それは大変ですねぇ」
どうにかして、あずーるさんのまじかるぺんをに、私のを叩き込まねば。彼の方を見ると、その顔は未だに泣いていた。私にはそう見えた。
蛸の人魚の泣き顔に、髪を切った兄様。そして……。
「ああ、なんだ。全部、簡単な事だったんですね」
まじかるぺんを杖にして、あずーるさんの元に歩いていく。近付くほどに、蛸足が迫ってくるけど、切り落とすわけにもいかないしなぁ。全部避けて、彼にゆっくり近付いていく。
「駄目ですよ睡蓮さん!! あまり今のアズールに、近付いていはいけません!! 魔法を奪われてしまう!」
魔法、で思い出した。あの時も、春だったはずだ。なら、桜を見てくれれば、正気に戻るまではいかずとも……何とか隙は作れるはずだと。
「宵闇の十六夜桜」
あちこちから桜の木が生えて、辺りに花弁を散らし始めた。まじふとの時に一本しか生やさなかっただけで、本来は大量に生やす事が可能なのだ。
「『
詠唱しようとしていたからか、油断した。横からあずーるさんの足が凄まじい速さで襲いかかってきて、髪が肩辺りで切れてしまった。
「『
今は髪よりあずーるさんのが大事だ。桜の花弁と髪が舞う中、魔法石を叩き込んだ。
ラッキーカラー
あずきいろ
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オタクの夢(プロフ) - 初めまして。突然のコメント失礼します。アンケートの答えは2でお願いします。 (2020年7月11日 21時) (レス) id: 16ffb5e192 (このIDを非表示/違反報告)
メリ助(プロフ) - いつも作品を楽しみにさせてもらっています!アンケートは2でお願いします!続き頑張ってくださいっ! (2020年7月11日 20時) (レス) id: edf0a2913a (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - 2でお願いします!続き楽しみにしてます! (2020年7月11日 5時) (レス) id: 90cb15719b (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 2でお願いします!無理せず更新頑張って下さい! (2020年7月11日 2時) (レス) id: ad5ac1eb93 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - 2で、お願いします (2020年7月11日 0時) (レス) id: 868bfc1b28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Chiharu | 作成日時:2020年6月27日 16時