カルテ47枚目【任務】 ページ13
「失礼します」
私がまだぼんやりする頭で、首領室の扉を叩いた。朝から首領に呼び出されるなんて付いてない。なんの任務が待っているのか、嫌で嫌で仕方ない。
昨日、あの部屋で倒れてから私が目覚めたのはほとんど夜中だった。人は誰もいなくて机に置き手紙だけ残っていた。
手紙には、首領の字で
[目が覚めたら、点滴は外していいよ。あとは何か食べなさい。必ずだよ。明日は重要任務の話があるから、指定の時間に私の元に来るように]
なんて書いてあって、あれから大庭医師はどうしたのかが気になって結局、ご飯を食べたのは織田作のところで飲みに行ってからだった。
「やぁ、来たね。太宰君」
首領がやけにピリピリした空気で私を見る。何も問題を起こしてはいないはずだ。
医師とのことだってもう前から首領には報告してあるし、任務だって正確にこなして来たつもりだ。なおさら何かわからない。
なぜこんな空気になっている。
「今回、君には重要任務を与える。来給え」
首領がエレベーターの方に向かう。私は後ろを適度な間隔をあけて付いていく。その間、首領は一言も話さなかった。
その静けさが、嫌な空気をさらに引き立てていた。
ーーーーー
ーー
ー
連れてこられたのは隔離部屋。
重要人物や、特異能力者などの危険人物を隔離しておく塔の一部屋だ。
こんなところに来るってことは、さらに気が乗らない任務だ。きっと危険人物の処理なんかだろう。あー、嫌だ嫌だ。帰りた………
『っ、はぁっ、はぁ、っうぐ、ぁっ』
帰りたいと思った気持ちが引っ込んだ。
聞こえて来た苦しげな声は、間違いなく医師の声だ。でも、何故ここに。しかも部屋の中から……。
「首領、これは」
「………この時期になるとこうして大庭君を隔離している。君に与える任務は、私が指定した三日間、この子に食事を持っていくことだ。
………あの子は何年かに一度、異能を暴走させる」
「異能を、暴走………?」
「この子の異能はもう知っているね?
外部からの干渉を遮断する異能力。これに対しての弱点はあの子自身にしか干渉遮断が効かないこと。本当にそれだけだと思っているのかい?」
首領が言っていることがよくわからない。
異能による暴走で閉じ込められている彼女。私の任務。全てへの疑問に、頭が爆発しそうだった。
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NamE.薆(プロフ) - 赤珠(元 チョコうさ。)さん» もしよろしければリクエストォォォ!! (2018年1月1日 22時) (レス) id: 71af860354 (このIDを非表示/違反報告)
NamE.薆(プロフ) - 赤珠(元 チョコうさ。)さん» そ、そ、そ、そのつもりでございましたぁぁぁぁあ!!!!やりますやります!頑張ります! (2018年1月1日 22時) (レス) id: 71af860354 (このIDを非表示/違反報告)
赤珠(元 チョコうさ。)(プロフ) - 続編…だと…!?この流れからしてあのパターンだよね?うわあああああああああ!!もしよければ与謝野さんと話しして欲しいですー!!!!!! (2018年1月1日 21時) (レス) id: 5fa7fae13e (このIDを非表示/違反報告)
赤珠(元 チョコうさ。)(プロフ) - ぬおおおおおおお!!!!…。←語彙力 控えめに言って…神です。(真顔) (2017年11月13日 8時) (レス) id: 5fa7fae13e (このIDを非表示/違反報告)
赤珠(元 チョコうさ。)(プロフ) - NamE.薆さん» なぬ…!?…。死亡フラグが思いつかねぇ。← (2017年11月5日 10時) (レス) id: 5fa7fae13e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:NamE.薆 | 作成日時:2017年10月27日 19時