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第参話 挨拶がてら ページ5

【桃源郷】と、流れるようなお洒落な文字で書かれた看板を用意して、少しマスコットキャラ的なのを書く。
開店時間は12時から20時まで。
メニューは主にカクテルや酒類。デザートなどもあるが簡単なもののみ。
あまりお洒落なカフェーな感じではない。
どちらかというとBARのかっこいい雰囲気を目指していた。





『やっぱり、こういう奴の方がかっこいいわね』




「何言ってんの?早く支度しなよ」




『はいはい』





改めて、店内を整理する。場所の確認、在庫の確認。それ以外の、もしものための準備。




「Aー!終わったー。寝てていい?」



『いいよ。お疲れ様』




現時刻、7時。何やら上の階で何か話しをしている模様。





『留守番お願いね』




「はいはーい……むにゃ、っ」



大丈夫か、これ。



取り敢えず、挨拶がてら、上の階の人に会ってくることとしようか。






ーーーーー



ーーー



ーー









「見たまえよ敦くんっ!虹色のゾウリムシがウジャウジャと!ほら、彼処にも国木田くんの上にも!」




「太宰ぃぃぃぃい!!!」



「国木田さん、朝早くからすみませんっ!」




僕の名は中島敦。
此処、武装探偵社で社員をしています。
現在、出社時刻より1時間も早く出社しているのは、見ての通り、太宰さんがまた変なキノコを食べてしまい、精神不安定となったため、連れてきました。



「おい、こら!太宰!逃げるなっ!!!」




「うっひゃひゃひゃひゃ!!!!」





「だざいさぁぁん!!!」




もう、止められようがない。
わけではないけど、止めるのが面倒。




『えっと、ぁ、おはようございます』




そんな危機的状況の中に、一人の女性が入ってきた。若い、黒いシックなワンピースを見にまとったその人は太宰さんを見て、なんだか急に真剣な顔をした。





「危なっ!」「避けてくださいっ!!!」




その女性に太宰さんが向かう。
酷い奇声の元、向かっていくのを僕たちでは止められなかった。そのまま、女性は小さく悲鳴をあげ、太宰さんを受け止めた。




「ぅ、っ!?おまえ……………」




急に太宰さんが驚いたかと思うと、
「ごふぅ!」という声と共に、床に倒れた。





「えっ、大丈夫、でしたか?」



『…………あ、はい。問題ないですよ。怪我もなく、それより、その人の方は大丈夫ですか?』




女性が拳をさすっている。
太宰さんが腹を押えてうずくまりながら、微笑んでいた。

第肆話 ビビリメガネ→←第弐話 店内



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作者名:NamE.薆 | 作成日時:2017年8月22日 21時

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