七夕 4祭囃子と昔の記憶 ページ4
林の中を歩いて数分くらいたっただろうか。
だんだんと木々はなくなり、
その代わりにガヤガヤと騒がしい音や声が聞こえてくる。
「なんだ…………?」
目を凝らすと、前を歩いていた変な奴が笑った。
『ふふ』
「何がおかしい」
『そんなに警戒しないでください。
星々のお祭りを眺めるだけですから』
そう言うと、俺に来ていた衣の一枚をやや乱暴にかぶせた。
「んだよ!」
『……これをかぶっていてくださいね』
曖昧な微笑む其奴の顔
《ありがとう》
誰かと、似ている。
大人しく衣を羽織りながら、其奴の後を追った。
だんだんと林の奥から聞こえていた声や音が何かわかった。
お囃子だった。
フルートのような高く優しい音。
ハープの音、バイオリン、オルガン。
綺麗な音色に思わず聴き惚れていると、
誰かとぶつかった。
「いたっ」
「嗚呼、すまねェ。立てるか?」
それは子供だった。
髪を七三分けにした女児。
着物にも似た衣を羽織り、俺に頭を下げた後、スタスタと走り去ってしまった。
その女児を追うように前を見る。
「______________!!!」
大人や子供がたくさん集まり、夏祭りのように屋台を出し、はしゃぎ回り、歌に踊りにと盛り上がっていた。
それは、かつて
《母さん》
《父さん》
両親といった、七夕祭りに似ていた。
「七夕祭り………」
『ご存知でしたか』
そういう声にハッとして、其奴の方を向く。
祭りを見るその目は、
どこか羨みが混じっていた。
29人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
NamE.薆(プロフ) - 霜月白雨@寂しいさん» 頑張ります!!! (2017年7月15日 21時) (レス) id: 71af860354 (このIDを非表示/違反報告)
霜月白雨@寂しい(プロフ) - とてもいい物語ですね! これからもがんばってください! (2017年7月15日 21時) (レス) id: c62dc48e07 (このIDを非表示/違反報告)
NamE.薆(プロフ) - 和さん» あ、あ、ありがとうございます!! (2017年7月15日 14時) (レス) id: 71af860354 (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - ありがとうございます!!! (2017年7月15日 11時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
NamE.薆(プロフ) - しゅうさん» 有難うございます!!何かイベントがあった時は書こうかと考えております (2017年7月8日 23時) (レス) id: 71af860354 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:NamE.薆 | 作成日時:2017年7月7日 22時