18話 犬猿の仲 ページ19
「…起きましたか。柱を呼んできます。」
そう言うツインテールの女の子はパタパタと廊下へ消えた。
隣を見れば土方が憎たらしい顔で寝ており。
_____3年前より強くなったなあ。
としみじみ思った。
3年前、土方と手合わせをする機会が何度もあったのだが1度として私に勝てたことは無かった。
もちろん、私は体術、土方は剣術という点から見て同じ土俵で考えるのはおかしいのかもしれないが、それでも土方は成長しているのだ。
もう20後半だろうに、成長期が遅いのか、それとも彼を変える何かがあったのか。
…まあどちらにせよ私には関係ないし、どうでもいいことだ。
「…っ…A…」
「?!
…なんだ、寝言かあ…」
苦しそうな顔で名前を呼ばれて動揺した。
と言うよりこいつは一体どんな夢を見てるんだろう。
…やっぱ昔のこと引きずってるのかな。
団長に拾われる前、歌舞伎町で暮らしていた私は神子の力を隠し、静かに暮らしていた。
…まあでも土方や沖田、銀さんたちと接点があったから静かにとは言えないかもしれないけど。
なぜ静かに暮らしていたか、それは神子の力を持ってる事が露呈すると悪用しようと企む輩が出てくるからだ。
いつの時代も強大な力を手にすれば手にしたほど行動は制限され、自由が利かなくなる。
もう死んでしまった母も同じことをよく口にしていた。
でもある日、私に生き残りの神子の力があることが露呈した。
…江戸で天人によるテロ活動が行われ、それを鎮火させるために力を使ったのだ、大衆の面前で。
その行為により力を嗅ぎ付けた幕府、及び天導衆や宇宙海賊に追われ森の中で力尽きたところをたまたま不時着した団長に拾われたのだ。
きっと土方や沖田たちはあの場で真選組が…なんて思ってるんだろうけど、私はあの時のこと後悔してないし、みんなのことを助けられたならそれでいいと思ってる。
なんて少し昔を思い出していたら、土方の目が覚めたようで。
「_____これで少しはお前を守れるか?」
なんて聞かれるものだから。
「…昔のこと、気にしなくていいから。」
強くなったね、と言い残し柱の到着前に医務室を後にした。
196人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナルシスト - とても面白くていい小説ですね!これからも頑張ってください! (2020年4月17日 14時) (レス) id: 9f29b33a37 (このIDを非表示/違反報告)
mio - 更新頑張ってください!応援しています!! (2020年3月16日 15時) (レス) id: 2668335830 (このIDを非表示/違反報告)
いるあ(プロフ) - とても面白いです。この感じだとオチは神威なのでしょうか?神威だととても嬉しいのですが、、、楽しみに更新を待っています。 (2020年2月16日 11時) (レス) id: 8f6ad57d8f (このIDを非表示/違反報告)
4o(プロフ) - 妖精・ナルルさん» ありがとうございます!これからも少しずつ更新しますのでよろしくお願いします( . .)" (2020年2月7日 2時) (レス) id: 14a215dd40 (このIDを非表示/違反報告)
妖精・ナルル - 面白いです! (2020年2月6日 21時) (レス) id: 428de63203 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:4o | 作成日時:2020年1月31日 4時