躊躇うなとは言わないけどね ページ7
ツギハギクンが腕をドリルのようにして発射し、それを悠仁が手で掴み。
特級は悠仁が掴んだ部分から鋭い棘を大量に生やした。
それでもなお離さずに遠心力を利用して呪霊をぶん投げた悠仁には感心するよ。
悠仁を挟んでココと反対側の校舎に激突したツギハギに追撃をするために翼を出して飛ぶ。
――が、あいつら至近距離で殴り合い始めやがった。
ころころ立ち位置が変わる近距離戦って外から迂闊に手出せないから心底やめて欲しいんだよね。
……あ。
戦局が動いた。
悠仁の蹴り飛ばしたツギハギが追撃をしようとした彼の後ろに立っている。
その手は金棒のような棘のある鈍器に変形していて。
『悠仁!』
「……! A、ナナミン……!」
ほんのわずか、あの二者間に介入できるだけの隙。
その間に素早く飛んでいって悠仁の身体を引くと同時、呪霊の腕は七海建人1級術士の術式によってあらぬ方向にへし折られた。
「説教は後で。現状報告を」
「2人……助けられなかった……」
悠仁と七海建人一級術師が言葉を交わすのを片手間に聞きつつ視線はツギハギに固定しておく。
……やはりへし折れた腕は再生しているね。
現状七海……長い。まあ彼はやつに攻撃を通せない。それであれば普通、悠仁(と私)を潰しに来るのが定石だ。
だが悠仁の性格も考慮するとして――真っ先に狙われるのは逆に。
思考の合間に攻防を繰り返していればツギハギが何かを吐き出した。
込められた呪力に従い大きくなるソレは改造人間だった。
「短髪のガキを殺せ」
……あ、マズイな。悠仁は例え改造人間であろうと人を殺すのに躊躇いがある。
普通なら当たり前だが呪術師としては致命的な弱点であり、何より戦場ではその一瞬の迷いが命取りだ。
『――ああもう、私オマエ嫌いだ!』
凄いスピードでどこかに行ってしまった悠仁を追いかける。
とっとと済ませよう。七海建人一級術師が早々くたばることは無いだろうがあの二者は相性は最悪だし。
――見つけた。
二つの校舎間を繋ぐ空中廊下の上で改造人間に囲まれている。
『悠仁! 無事か!
……気持ちは分からなくもない。だが迷うな。
悠仁の上に跨る改造人間を鋭く尖った爪で凪ぐように切り捨てた。
はっとした様な表情の悠仁が何をあの悪趣味野郎作の改造人間に言われたかは何となく想像が着く。
『――進め、悠仁。振り返るなとは言わんが今はその時じゃあないよ』
「……おう」
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ベルゼ - すっごく面白いです!更新頑張ってください! (9月17日 22時) (レス) @page17 id: c0b33047a9 (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - マリオットさん» ありがとうございます(*´˘`*)♡ のんびり更新になりますがこれからもよろしくお願いします〜! (2022年10月11日 8時) (レス) id: 7dfcfb958e (このIDを非表示/違反報告)
マリオット - あっ!この話好きです!!体調に気をつけて更新頑張ってくださいね! (2022年10月10日 14時) (レス) @page8 id: 4a1e7dbbbb (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - にゃーちゃんさん» 応援ありがとうございます!気まぐれのんびり更新にはなりますが今後ともよろしくお願いします(*´˘`*)♡ (2022年9月18日 21時) (レス) id: 7dfcfb958e (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - とても面白かったです!更新頑張ってください、楽しみにしてます! (2022年9月18日 17時) (レス) id: 25d0243371 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月野 | 作成日時:2022年9月16日 11時