初代最悪の呪詛師、転生する〈弐〉【呪術廻戦】

そもそも呪術師に縁起など無い ページ3

「俺は足手纏いかよ、ナナミン。次はちゃんと連れてってくれ。

――『仲間が死にました。でも僕はそこにいませんでした。
何故なら僕は子供だからです。』――なんて俺はゴメンだ」

「駄目です。知っての通り敵は改造した人間を使う。

どうしようもない人間というのは存在します。
この仕事をしている限り君もいつか人を殺さなければ行けない時が来る。

でもそれは今ではない。理解してください。
子供であるということは決して罪ではない。

……倉橋さん、アナタも今回は虎杖君に同行してください」

『ああ、了解した』


あーあ、面倒な事になった。
こうなった要因って言うと、七海建人一級術師がツギハギとの戦闘について私と悠仁、そして伊地知潔高補助監督に話したことから始まる。

面倒ゆえ中略して結論から言うとまた別行動になった悠仁がキレかけたって訳だね。

ついでに言うと悠仁が担当してた吉野順平、その自宅から宿儺の指と下半身の欠損がある実母の死体が見つかったらしい。


「――Aは悔しくないのかよ。俺ら『弱い』って言われてるようなものだろ」

『構わん。いいか、悠仁。この任務に不要な仕事は無いよ。……後は分かるね？』


――キミの与えられた仕事は大切なんだよ。
ぐ、と押し黙った悠仁を見て七海建人一級術師は私と悠仁とに仕事を割り当てる。

それに何より、己の強さは私自身が一番理解しているさ。

――彼は、あのツギハギが未だ生きているであろうことを分かっている。
そして、己にはやつに対抗しうる手段が無きに等しいのも理解している。

それでも私や悠仁に被害が行くのを抑えるために自ずから死地に飛び込もうとする様はまあ、何と言うか――


『七海建人一級術師、一つだけキミに。
キミが死んだら嘆く人はたくさん居るよ。

……死ぬつもりでやるのは構わん。だが死に行くのだけはやめておけ』


だってほら、現に後ろの幽霊(傑)だって心配そうに眉根を寄せている。
死人たる幽霊ですらコレだ、生者にはキミを慕う者もキミを好ましく思うものもたくさん居るだろうに。


「――善処します」

『そこは確約して欲しいところだったのだがなあ』


こんな仕事をしている以上それは難しい、だのお堅いことを言う彼に返事をせずに背を向けた。

はあ、まだ朝なのに気が重いな。
何となく今日は濃い一日になりそうな気がするが……これ以上面倒な事にならなければ良いんだが。

……え、フラグ？ やめてくれたまえ縁起でもない！

だから面倒事は嫌だと……！→←ワーカホリックって言うのかなあ

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