当家が頓着してないのにね ページ17
『あー……説明がちょっと面倒なんだけど結構大事だよ、それは。
まず五芒星。陰陽師って聞いたら一般人はまずコレを思い浮かべるんじゃないかな。
晴明印とかセーマンとも呼ばれる。読んで字のごとく安倍晴明が好んで使っていてね、元々彼の式神だった五霊らにはこの印を宛てている。
五芒星の中にできる五角形の頂点を結ぶと五芒星になるだろ？
永遠に五芒星を作れることから陰陽道の中では完全・完璧を表すものとしてよく扱うね。
あとは先に言った五行説にも強く関連する。
次に六芒星、これはどちらかと言うと私の家、蘆屋がよく使っていた。
上向きの三角形と下向きの三角形が陰陽を表しその均衡を取る……というような意味がある。
主に元々私の式神だったやつにはこれを使っているな。
最後、十字。
式神――黒妖犬なんかに使ってるのは十字架の意味だ。ほらキリストの。向こうでは願い事をする時に芒星より十字架を切る方が多いからね。土地に合わせて……ってやつ。
祓魔の方に使うのは九字切りだね。多分キミには十字架を連続で切ってるように見えたのだろうけど。
別名ドーマン……これも我が蘆屋の家系が好んで扱った印だ。というか道摩法師ってこれから来たんじゃなかったかな。
横に5、縦に4の線を切るかたちで邪気や禍を祓う、あるいは捕らえるという意味合いで使うものだ。
……とまあ、ざっと説明したけど一言で言えばTPOってことだね。時と場合によるってやつ』
この辺り理解して使い分けるのとそうでないのとでは効力がまるで違う。
まあ気を重要視するが故に。
「なるほどね。今回はAが使い慣れてるのじゃなくて五芒星なんだ？」
『完全・完璧の意味合いがあるからな。むしろ慣れた術の方がバランス調整に長けた上扱い慣れた布陣を使うよ』
もちろん初見の術でも陰陽の複雑な調整が必要なら六芒星だし、慣れた術でも五行に基づくのなら五芒星を使ったりするから一概には言えない。
それにこんなのぶっちゃけこの辺個人の好みだし。平安期には派閥的な感じで五芒星を使うか六芒星を使うか――みたいなのもあるにはあった。
どちらがより優れた術者だったのかというくだらない争いと共にね。
『さて、お喋りも済んだところで施術の時間だ。
他に聞いておきたいことは？』
「大丈夫。……多分」
『――多分とは何だ多分とは。まあいい。じゃあ始めよう』
終わり
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ベルゼ - すっごく面白いです！更新頑張ってください！ (9月17日 22時) (
レス) @page17 id: c0b33047a9 (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - マリオットさん» ありがとうございます(*´˘`*)♡ のんびり更新になりますがこれからもよろしくお願いします〜！ (2022年10月11日 8時) (レス) id: 7dfcfb958e (このIDを非表示/違反報告)
マリオット - あっ！この話好きです！！体調に気をつけて更新頑張ってくださいね！ (2022年10月10日 14時) (レス) @page8 id: 4a1e7dbbbb (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - にゃーちゃんさん» 応援ありがとうございます！気まぐれのんびり更新にはなりますが今後ともよろしくお願いします(*´˘`*)♡ (2022年9月18日 21時) (レス) id: 7dfcfb958e (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - とても面白かったです！更新頑張ってください、楽しみにしてます！ (2022年9月18日 17時) (レス) id: 25d0243371 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月野 | 作成日時：2022年9月16日 11時
