にじいろFamily #2

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桃色side

｢だい、ちょっとこっちおいで？｣

赤｢なーに？｣

すっかりご機嫌な様子のだいを、膝の上に乗せる。
実は、今日はまだ、自転車の練習をしていない。

｢いまから、公園行くんやけど、だいも行く？｣

赤｢…行かへん｣

｢行かんの？自転車の練習、せえへんの？｣

赤｢だって！…だって、｣

｢ん？どしたん｣

目に涙をたっぷりためて、俺を上目遣いに見てくる。

赤｢淳太とやくそく、｣

｢約束したん？｣

赤｢ちゃんと見てるって…｣

｢淳太が、いないときに乗れるようになったらいややなぁって、だいは思っとるん？｣

そっと頷くだいの目から、涙がぽたぽたと落ちてきた。

｢そっかぁ…｣

なんて純粋。
ほんまに、何年経ってもこの純粋さが残ってればなぁ…(笑)

｢だいは、どうしたいん？自転車の練習したい？したない？｣

赤｢…したい｣

｢したいん？せやったら、お庭でちょっとだけする？｣

なかなか広めなうちの庭は、地面も芝生で、
公園には叶わへんけど、結構良い練習場やと思う。

赤｢お庭…うん！｣

お庭なら大丈夫っていう謎の考えを持っただいが、目をキラキラと輝かせた。

｢よし。じゃあ、行こうか。あ、ヘルメット忘れんといてな｣

赤｢はーい｣

｢ともも準備してー｣

緑｢らじゃあ！｣

｢らじゃあ(笑)｣

ともの最近の流行り。
それは、『らじゃあ』。

不格好な敬礼に、舌っ足らずな『らじゃあ』が、可愛くて仕方がない。

｢だい、淳太、はよ帰ってくるとええな｣

赤｢ぅん！｣

緑｢だいには、ともがいるから大丈夫よ？のんちゃん！｣

だいの手をぎゅっと握って玄関に向かうともの背中が、不思議とお兄ちゃんに見えた。

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