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土方「くっ付いたのかおめぇら。そらめでてぇな」

A「…」


いやもうね、チーンって感じですよ。
そんなアッサリかー!分かってたけど!

いや今はそんなこと考えてる場合じゃない。
治療に専念しないと。


神威「なるほど、アンタがAの想い人って訳ね」

土方「はぁ?Aはてめぇの女なんだろうが、何言ってんだ」

神威「うんうん、こんなタバコ臭くて鈍感な奴、やめといて正解じゃないか」

A「神威、やめて、デリカシー無さすぎ。それに今処置中」

土方「なんの話か知らねえが、勝手に俺をディスるな」


土方さんにバチバチ対抗心を燃やす神威と、
訳も分からず貶されてイライラしてる土方さんと、
勝手に気持ちを暴露されて気が気じゃない私と、
苦しむ隊員と。

カオス。まじ、カオス。

この状況作ったのほぼ私だけど。


A「…出血は多いですけど、どれも致命的な傷では無いです。2.3日安静にすればすぐ良くなりますよ」

土方「そうか、助かった。こんな時間に押しかけて悪かったな、時間外料金は近藤さんに請求しといてくれ」

A「今日は入院してもらっても構いませんけど」

土方「連れて帰れんなら帰るわ。あまり隊士達をばらけさせたくねえからな」

A「分かりました、では炎症止めと痛み止め出しておきますね」


薬が保管されている部屋に向かう。


神威「…アンタを一発殴りたかったけど、怪我人連れてるし今日はやめといてあげるよ」

土方「おめぇが俺を敵視するのは勝手だが安心しな、Aにゃ手出さねえよ」

神威「その様子じゃ、本当にAの一方通行みたいだね。それもそれで妬けちゃうなぁ」

土方「俺は誰かを娶るつもりはねえ」

神威「ふうん、それはさぞかし泣く女がいるだろうねぇ」

土方「ケッ知ったこっちゃねえよ」

神威「冷血な男だね」


A「…お待たせしました」


土方さん、全部聞こえてます。
ここ小さい病院なんで。ドアだって薄いんで。


土方「おう、じゃあな」

A「はい、お大事に…」


別に分かってたから泣かないよ。
でも、こうもはっきり望みがないことを知ると、落ち込んじゃうなぁ。


神威「A、こういう時のためにも俺いるよ?」

A「え?」

神威「悔しいけど、これであいつへの想いが消えるなら、俺の胸貸してあげるよ」

A「神威…」


あぁ、どこまでもその優しさに漬け込んでしまう。
ごめんね、ありがとう。

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作者名:ぺち | 作成日時:2021年2月8日 12時

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