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困った。
イエスと言わないから察してくれると思ったけど、神威にはそういう暗黙の了解が通じないらしい。

かくいう私も、はっきりと言えない。
だって、この生活が終わるのを少し惜しんでいるから。
身寄りのいない自分を必要としてくれる彼を失うのは嫌だった。

なんとも汚い人間だな、私は。
彼の自虐的な発言に、漬け込もうとしてるなんて。


A「……」

神威「そんな深く考える問題じゃないさ。今、この手を握るか、叩くか。それだけ」


差し出された手は、なんだかいつもより大きく見えた。

考えるのをやめた私の身体は、引き寄せられるようにその手に触れる。

嬉しそうにハニカム神威に、流された私は少しばかりの罪悪感を感じながら微笑み返した。


神威「晴れて恋人になった事だし、とりあえず、その気になってた奴教えてよ」

A「ええぇ、嫉妬深い系なの?ヤンデレってやつなの?」

神威「やだなぁ、別に一発殴るなんて言ってないじゃないか〜」

A「いや言っちゃってるよ?笑いながら言わないで?」


どうやら重そうな彼氏を作ってしまった様だ。
…ま、神威も一時的に拠り所が欲しいだけだろう。
きっとこんなの将来思い出した時、本気の恋愛じゃなかったなんて言われるようなお遊びだ。

なんて、自分の性悪さを肯定してみる。


A「あ、ほらデリバリー届いたみたいだよ」


チャイムの音が聞こえ、逃げるように部屋を出ていくと、そこにはタイミング悪く土方さんの姿が。


土方「夜分にすまねえ。ちょっとコイツ見てやってくれねえか」

A「大変!そこに寝かせてください」


血だらけになりながら微かな息を漏らす真選組の一人であろう青年。


A「一体なにが…」

土方「恐らく攘夷浪士の仕業だ。発見した時にはもう奴らの姿はなかったがな」

神威「あれ〜?なんかヘルがデリバリーされて来たみたいだね」

土方「ぁん?なんだ、おめぇあの時のガキじゃねえか。まだ居たのか」

神威「まぁね。彼氏が彼女の家にいるのなんてフツーでしょ?」

A「ちょ、か、神威!」


神様、罪の裁きを下すの早すぎやしませんか??

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作者名:ぺち | 作成日時:2021年2月8日 12時

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