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神威「Aって趣味悪いね」

A「えぇ〜?可愛いじゃん」


夜、新しく買った寝巻きを渡すと抗議の声が上がった。
赤色の、うさ耳の着いたパーカー上下セット!ちょっと着せてみたかった気持ちは正直ある。
だって童顔で中性的で顔だけはかわいいんだもん。


神威「別に誰に見られるわけじゃないしいいけどさ。うわぁピッタリだ」

A「総悟にモデルしてもらったからね。体格似てるし。あ、総悟っていうのはあれね、あの時一緒にいたお巡りさん」

神威「へえ」

A「じゃあおやすみ」

神威「どこいくの、はい」


毛布を持ちあげて、私に入れと言わんばかりにニコニコしている。
私はその意図を理解するのに時間がかかった。


A「…はい??」

神威「これからはAがいてくれるんでしょ?」

A「勘違いさせたならごめんだけど、アレはそうじゃなくて、なんていうか弟?との支え合いみたいな?」

神威「頭が混濁してる弟を寝かし付けてよ」


…え?なになにどゆこと??
私の方が頭混濁してるんですけど!!

いや確かに恋愛感情はないよ?
歳下だし、かわいいなーみたいな、弟…小動物?ぽく思ってるよ?けどさ!ダメじゃん!!
ガキだけど毛の生えてないガキでは無いじゃん!
さっき夜兎のことちょっと調べたけど傭兵三大部族なんでしょ?!
本気出されたら私絶対敵わないじゃん!!

えーどうしよ、私には心に決めたお人が…まあもう勝手に振られてるけど。セルフ失恋してるけど。
当たって砕ける前に砕けてるけど…。


神威「なに一人でブツブツ言ってるの?」

A「いけません!!!ガキには分からないかもしれないけど、こういうのは良くありません!!」

神威「ガキと思ってるならいいじゃん。Aこそ何勘違いしてんの?」

A「うっ」


なんか一人で暴走して恥ずかしくなった。
この顔ならある程度女の子を選り好み出来てたと思うけど、そんな事を思わせないその純粋無垢なおめめ!
こわいわぁ。この子の将来恐ろしいわぁ。


A「何もしないでよ」

神威「何をするっていうのさ」


神威はただ背中を私の背中にくっ付けて、すぐに眠ってしまった。
妙なことを先走って考えた自分がアホらしい。

総悟が反発する弟なら、神威は甘えん坊な弟だな、なんて思いながら目を閉じた。

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作者名:ぺち | 作成日時:2021年2月8日 12時

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