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A「今日は色々あって疲れたでしょう。いっぱいご飯作ったから!オカワリもあるよ!」

神威「…」


手によりをかけて作ったご馳走なのに、箸にすら手を付けないなんて。


A「ねぇ、神威。あなたは昔、独りだったかもしれない。壊してばかりだったかもしれない。けど今は、これからは私がいてあげる」

神威「…なに、プロポーズ?」

A「プロッ?!ちょ、今涙がポロリの感じだったじゃん!ぶち壊さないでよ〜!お姉さんポジションとして世話焼いてあげるって言ってんの!」

神威「いただきまーす!」


いつもの様にムシャムシャと食べ始める神威に、まぁいいかと溜息を零した。


A「今度、お母さんの話も聞きに行こうね」

神威「…妹は俺に会いたくないんじゃないかな」

A「そんな事ないよ。神威が出てったあと、笑ってた。色々あったかもしれないけど、神楽ちゃんは家族が心配で、お兄ちゃんと仲良くしたいだけだよ」



神威「今朝連れてった子どもにお兄ちゃんって呼ばれた時、懐かしい気がしたんだ。随分そう呼ばれてなかったんだと思う。お兄ちゃんだった時代に、以前の俺も焦がれていたのかもしれない」

A「前の神威くんはひねくれてたみたいだねえ。大丈夫だよ、まだ若いんだからいくらでもやり直し効くよ」

神威「Aみたいにおばさんじゃないもんね」

A「私、事件性ない様に見せかけて殺すことも出来るんだから発言には気をつけてね?」

神威「はいはい」

A「え、なに、なんか子ども扱いされた気がする」

神威「いつも俺の事子ども扱いするからお返し」


米粒をほっぺにつけたままにいっと歯を出す神威。


A「そういうところがガキなの。私をあしらうなんて100年早い」


この奇妙な同棲生活は楽しくなる。そんな予感がした。

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作者名:ぺち | 作成日時:2021年2月8日 12時

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