今日も今日とて (ページ7)

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神威「海賊王に、俺はなる！」

A「私は強くなんかなかった…だからいつまで経っても団長を潰せないんだ…酒程度に負ける女だから…」

神威「大丈夫だよ！Aなら殺せるよ！ほら、だから一緒に歌おう！」

A「無理だよ…団長強いし…歌だって私より上手いし…顔だって整ってるし…背だってこれから伸びるだろうし…」

神威「むげーんだーいのーゆーめのあとのー♪」

阿伏兎「………地獄かここは。あっ！これ俺の酒じゃねえか！こんのクソガキ共！！」

ハイパーポジティブに間違ったアニメ曲歌ってる奴と、
ハイパーネガティヴになりながら団長を褒める奴。

これは本当に春雨の雷槍と呼ばれる団長か？
その団長と肩を並べる程の実力者のAか？

全く、飲み方も知らねえ子どもが調子乗りやがって。

阿伏兎「もうお開きだ！！顔洗って来なさい！」

神威「阿伏兎～！片腕しかないのThe海賊って感じでかっこいいよ！」

A「うん…両手が生えてる私なんかよりずっと…」

…頭痛くなってきた。

阿伏兎「あー、水持ってくっから」

あの2人が入団して10年程経つか。

鳳仙を師とし戦ってきた団長と、己のみを信じ磨き上げてきたA。

夜兎の血を色濃く受け継いだコイツらは瞬く間に第七師団に無くてはならない存在となった。

昔っから喧嘩ばかりだったが、一緒にイタズラを仕掛けたり、団員達の誕生日と知れば祝いの場を作ったり。

この2人が来てからこの船内にも笑い声が増えたんだっけなぁ。

阿伏兎「可愛かった子兎共がもう酒も飲める年か」

それに1人は上司になっちまったし、
男に囲まれて育ったAは色気のねえ女になっちまった。

阿伏兎「ほーら、持ってきたぞぉ飲め」

部屋に戻ると、大の字で気持ち良さそうに寝そべる団長の上に、酒瓶抱えながらヨダレ垂らしてイビキかいてるAの姿。

阿伏兎「寝てるときゃ今でも可愛げがあるな」

そっと毛布をかけてその場を立ち去った。