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訳が分からないけど、この厄介な不調の治し方を団長は知っている。

それに何故だか必死だ。


歩き続けていくと、少しずつ騒音が聞こえてきた。
そちらに向きかける足をグッと堪えて、船を目指す。


A「あ、思ったよりやばいかも」


どんどん重くなる身体。
息をするのもやっとなくらいだ。

なんとか船に乗り込むと、私はその場に倒れ込んだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


A「ん」

阿伏兎「お、眠り姫が漸くお目覚めだ」

A「あれ…?」

阿伏兎「2週間、眠り続けてたぞ」

A「そんなに?っゲホゲホ」


咳と共に大量の血がシーツに広がった。


阿伏兎「おっおい…」

神威「阿伏兎、俺Aとちょっと出かけてくる」

阿伏兎「はぁ?こんな弱ってる奴どこに連れてくんだ」

神威「ほら行くよ」


抱えられて乗り込んだ小型船。
ひっそりと佇む星が見えてきた。


A「団長…なんでこんなにしてくれるんですか」

神威「昔、自身の弱さのせいで救えなかった人がいる」

A「…」

神威「だから、その人の分まで強くなった俺はお前を救う」


降り立ったその星は、以前と変わらず何も無くて。


A「あ、あそこ。あの場所に連れてって下さい」


黙ったまま言われた通りに廃墟まで連れて行ってもらうと、薄汚れたベッドに寝かせてくれた。


神威「ここは?」

A「前に誰かが居たんでしょうね。ベッドに本に、生活する最低限のものが揃ってるんです」

神威「そう…」


確かめるように積まれた本をペラペラと捲っては戻すという行動を取る団長。


神威「本当に何も無いところだ。こんな星じゃ、生きられないね」

A「そうですよね。でも私はここに居ると何故か安心する」

神威「…A、体調が良くなるまでここにいて。必ず迎えに来る」

A「え………はい、分かりました…」

神威「そんな不安がらないでよ。嘘付かないから」

A「いいですよ別に。ただ、ひとりぼっちだった頃を思い出して」


あの頃は寂しい、なんて感情無かったのに。
だってそれが常だったから。

それが今じゃこんなにも一人になるのが不安だ。


神威「…俺達は全宇宙を敵に回した。だからちょっと忙しくなるんだ。残ってあげたいところだけど行かなきゃ」

A「首取りゲームも参加出来なかったのに、またお休みですね」

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作者名:ぺち | 作成日時:2021年2月22日 22時

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