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葉は紅く染まり、すっかり秋になった。
A「月見バーガーが美味しい季節ですねえ」
ファストフード店で、LLセットを頬張りながら幸せを噛み締める。
神威「ご飯はいつでも美味しいよ。それより、太ったんじゃない?」
A「女の子に言っちゃいけない言葉ですよ」
神威「多少なら触れないけどさ、流石に言わざるを得ないよ」
阿伏兎「ジャージ着てんのも、制服キツくなったからじゃねえのか?」
A「…」
ぐ、ぐうの音も出ねえ…!
神威先輩に付き合って食べてたら少し太ったのは確かだ。そこに食欲の秋が加わって最近は1人の時でもずっと食べてる…これ、やばい?
神威「何キロ増えたの?」
A「じゅ…3キロくらいです…」
阿伏兎「じゅって言ったよ。絶対10キロ以上太ってるよねえ?!」
A「…先輩はぽっちゃり女子嫌いですか?」
神威「そうだねぇ。自己管理もできないデブに用はないよ」
A「そんなぁ!」
マズイ…このままでは気持ちが離れて行ってしまう!
ああ!でもハンバーガーを食べる手を止められない…!
阿伏兎「元々痩せてたんだから、ちょっと食わなきゃ戻るだろ」
A「それが出来たら苦労しねえよタコ」
お妙「なら、神威さんが管理してあげればいいんじゃないかしら?」
A「びっくりしたぁ!」
お妙「通りかかったら見掛けてね。丁度いいじゃない、Aちゃんも神威さんも家で待っている家族なんていないんだし」
A「ちょっと言い方考えて?」
阿伏兎「ママ…お袋がたまには家の様子見に来たいって言ってたし、俺もお前がコイツん家行くなら助かるな」
A「ど、同棲…!心臓幾つ用意しとけばいいですかー!!」
神威「俺をこんな野獣の檻の中へほっぽっていいの?」
阿伏兎「なんだその子兎みてぇな目は。大学行ったら生活リズムも合わなくなんだし、今のうちに時間を共有するのもいいんじゃねえか?」
A「毎日美味しいご飯いっぱい作ります!朝昼晩デザート付き!!」
神威「いいねぇ、行くよ」
阿伏兎「えっいいの?言っといてなんだけどそれでいいの?!てか目的変わってね?」
お妙「しっかり胃袋掴んだみたいね」
ダイエットから同棲の話になるなんて…!
太ってよかったァ!!
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作者名:ぺち | 作成日時:2021年2月1日 17時