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良かった、終わってくれた。
あの眼帯男悪い奴じゃないのかもしれない。
バツが悪そうにしている先輩に、私から声をかける。
A「…いい子です」
ヨシヨシ、と頭を撫でると、
神威「ぷっなにその格好」
A「忘れてた!いやぁ見ないで下さい〜」
私の大好きな先輩が戻ってきた。
喧嘩の邪魔して嫌われるかヒヤヒヤしたけど、私が思っている以上に、私の事を想ってくれているみたいだ。
神威先輩を囲むように盛り上げていた生徒たちも眼帯男達の姿が見えなくなると、何事も無かったかのように散り散りになり、持ち場へ戻っていく
A「文化祭はこれからですよ。一緒に楽しみましょう」
神威「…やっぱりお前は強いねえ」
A「強くなきゃ神威先輩の彼女は務まらないですからね!」
ハンカチで口元の血を拭ってあげて、3年の教室へ向かう。
神威「着替えるから出てって」
A「…いえ!怪我の具合を確認したいので!遠慮せず脱いで下さい!」
神威「そういうところだよ、残念なの」
ポイッとつまみ出されて仕方なくドアの前で待つ。
お妙「あのー、すみません。Aちゃんどこにいるか知りませんか?」
A「妙ちゃん!」
お妙「えっあ…Aちゃん?!どうしてそんなキモヲタの格好を…」
A「ウチの出し物でね…皆に笑われたからもうごめん、触れないで」
お妙「そうなの。はいこれ差入れ。本当は周りたかったんだけど、新ちゃんが熱出しちゃってね。せめてもの応援で作ったの。コレ食べて精力付けてね!」
A「大変な時なのに…!ありがとうね。メガネくんお大事に」
お妙「ありがとう。それじゃね」
ずっしりと思い重箱には、きっと卵焼き(暗黒物質)が詰め込まれているんだろう。
妙ちゃんには悪いけど、阿伏兎が美味しく頂きます。
神威「…あんま強そうじゃないから嫌だなぁ」
A「うおーーー!!!プリンスだ!ヴァンパイア界の王子が降臨したああああ!!」
はだけさせた白いシャツの上から黒いマントを被り、オマケに牙を付けている。
たまらん!その牙で噛み付かれたい!!!
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作者名:ぺち | 作成日時:2021年2月1日 17時