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A「起こしてよ!」
神威「俺に言う?」
休み明け一発目。盛大に遅刻。
学校午前だけだし、もう行かなくても同じかもしれない。
神威「サボるならどっか連れてってよ。事故った場所とか」
A「そんなとこ行きたいの?」
事故現場は知っている。
死人が出たということでこの地域では大きな話題になったし。
それが神威だったとは夢にも思わなかったけど。
A「ここ入ったところだと思う」
神威「ロープ張られてるねぇ。昔から?」
A「ううん、あの件以来、事故防止の為に人が入らないようにしたらしい。ここは抜け道だったんだよ、神威ん家の方に出れ…」
そうだ、ここはうちの方面へ向かう道だ。
神威「行ってみようよ」
A「で、でも…」
神威「明るいから大丈夫でしょ」
進んでいくと、花やお菓子が置いてある場所があった。
神楽達が供えたんだろう。
神威「なんかジメジメしてて嫌な感じがする」
A「あそこに小さな池があるでしょう、最近は分からないけど、蛍がいて綺麗だったんだよ」
神威「ふーん、夜まで待ってみない?」
A「うん、いいよ」
まだいるかな。
時期は少し過ぎてしまったと思うけど。
それでも快く提案に乗ったのは、いつの間にか風に乗って消えてしまいそうなこの人との時間を大切にしたいと思ったから。
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作者名:ぺち | 作成日時:2021年10月31日 18時