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道端で見つけた猫にはしゃいだり、ゲーム音に乗って踊ってみせたり、無邪気な彼に笑がこぼれる。
神威「ヘッタクソだな〜。…そこでストップ!」
A「取れた…!かわいー!」
強くて優しくて、真っ直ぐで子どもっぽい。
好きだった頃と何にも変わらない。
今もきっと私はーーー。
神威「もう一つ取ろう、俺の化身として部屋に置いといて」
どんどん後悔が深まっていく。
私達についてはっきりさせておくべきだった。
たまたま会ったあの日、もっと話しておけばよかった。
A「…神威はさ、私のことどう思う?」
神威「感謝してるよ。受験生なのに構ってくれて」
私にだけ見えているのは、私に見つけて欲しかったからだと、私に特別な思いがあるからだと、都合の良い方に考えてしまう自分が気持ち悪い。
神威「君も死んでくれたら、どこまでも行けるのにね」
A「えっ」
神威「冗談だよ。むしろ守護霊にでもなったげようか?」
寂しい、のかな。
それもそうか、私以外彼を認識する者はいないんだもん。
神威がここに居てくれるのは、そうするしかないから。
私じゃなくても、誰でもよかったんだ。
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作者名:ぺち | 作成日時:2021年10月31日 18時