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A「成仏する気なくなったの?」
神威「春が待ち遠しいんだ。桜を見たかったのかもなって」
A「そんなロマンチストだったっけ?」
長期戦覚悟か…。
困る、鬱陶しいという気持ちももちろんあるけれど、
A「まぁ四六時中いた人がいなくなったら、少し寂しく思うかもね」
神威「俺と過ごせて楽しいんだ」
A「そうとは言ってません〜。ずっと傍にいられちゃ彼氏も作れないわ」
神威「作る気あんの?男と全然絡まないじゃん」
中学時代は神威の元カノという称号が邪魔して男子は寄り付かなかったし、高校入学後に好きな人が出来たことも無かったな。
それだけ日々が充実してたってことだと思うけど…
…でも、どこかで神威と比べるところがあったかもしれない。
彼は私が落ち込んでる時に静かに寄り添うタイプではなくて、馬鹿なこと言って笑わせてくれるような人だった。
自分のことは後回しにして、私が求めた時にいつでも受け入れてくれる人だった。
女の子達に悪口を言われた時だって、私のいない所で対処して、守ってくれる人だった。
…そうか、私、ちゃんと神威のこと好きだったんだ。
理由も分からず遠ざかってしまった彼を問い詰めて、ちゃんとお別れを言われるのが嫌だったんだ。
お遊びだったから自然に終わったんだと、無理に自分を納得させなくちゃ、辛かったんだ。
神威「どーしたの?傷付いた?悪かったって」
A「…アンタって、本当厄介」
生きている時に気付けていれば。
もっと違う未来があったかもしれないのにな。
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作者名:ぺち | 作成日時:2021年10月31日 18時