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言われた通りに約束の時間の十五分前には着いたけれど、私は公園の外で同じところをぐるぐると歩いて中に入れずにいた。
というのも、既に瀬名 泉さんはそこにいて、ベンチで長い足を組んで携帯を触っているのだが、あまりにも輝きすぎていて近づけないのだ。
今なら、逃げてしまってもバレないのではないか。
そう思ってそっと背中を向けた瞬間、がしりと肩を掴まれて「 ひぃ 」とか細く情けない声がもれた。
「 ねぇ、どこ行くの? 俺もついていっていいかな? 」
「 は、はひ、こんにちは… 」
「 はいこんにちは 」
ギギギ、とロボットのように振り向くと、恐ろしさを覚えてしまう笑顔を浮かべた瀬名 泉さんがいて、これはもう逃げられないなと確信した。
「 あ、あの。今日は何をするんですか? 雑用かと思って動きやすい服装では来たんですけど 」
「 あ〜キレそう 」
「 な、なんでぇ… 」
瀬名 泉さんは帽子を深く被り直すと、「 ついてきな 」と歩き出す。
てっきり置いていかれると思ったけど、どうやら歩幅を合わせてくれているようで、少し後ろを歩いていても距離が開くことはなかった。
「 あんたのとこ、校則はキツイ? 」
「 いえ、どちらかというと緩いです 」
「 親は? 」
「 えっと…ほとんど家にいないので干渉してきません 」
それだけ聞くと、ある店の前で止まり、クイッと親指でそこを指した。
「 来な 」
び、び、美容室だ…!
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瀬永ゆう(プロフ) - ここちさん» ありがとうございます!是非読ませていただきます! (2021年10月27日 6時) (レス) id: 4117ae44bf (このIDを非表示/違反報告)
ここち(プロフ) - 瀬永ゆうさん» 承認致しました。これからも小説共々よろしくお願いいたします! (2021年10月26日 21時) (レス) id: c2fb8c431e (このIDを非表示/違反報告)
瀬永ゆう(プロフ) - ここちさん» お返事ありがとうございます!了解しました!申請しておきます! (2021年10月26日 18時) (レス) id: 4117ae44bf (このIDを非表示/違反報告)
ここち(プロフ) - 瀬永ゆうさん» こんにちは。はい、Musicです!けれど私、間違えていました。スコアランキングではなく、イベントポイントランキングでした。汗 ユナという名前です。お手数おかけします…本当にごめんなさい (2021年10月26日 14時) (レス) id: c2fb8c431e (このIDを非表示/違反報告)
瀬永ゆう(プロフ) - ここちさん» ありがとうございます!フレンド申請させて頂きます!musicの方ですよね?ユーザー名は瀬永ゆうです! (2021年10月26日 6時) (レス) id: 4117ae44bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ここち | 作成日時:2021年10月12日 23時