マリンブルーの誘惑【瀬名泉】

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彼がモデルだけではなくアイドルとしても活動していることを知ったのは、またしても電車内での女子高生たちの会話だった。

なんでも彼女らは彼が所属している『 Knights 』というグループのライブに向かう途中らしく、とても可愛らしい髪型に服装、それに鞄にはたくさんのグッズがつけられていた。

一人はオレンジ色の髪の男の子のグッズを、もう一人は瀬名 泉さんのグッズをつけていて、私はすごい人と会話したんだなと少し驚く。





「 もうちょー楽しみっ！ ファンサしてもらえるかな！？ 」

「 そのためにこれ作ったんじゃん！ あ、ほら行くよ！ 」





降りる駅に着いたので立ち上がると、扉が開いた瞬間に女子高生たちも降りていった。

ここには大きなドームがあったし、もしかしたらそこでライブが行われるのかもしれない。

まぁここにはアルバイトに来ただけで私には関係の無い話だし、遅刻したら嫌だから早いところ降りよう。





「 今日 新曲も歌うのかな！？ 」

「 ていうか凛月くんの… 」

「 あ！ まって化粧 直してくる！ 」





駅構内も、外に出てからも、周りはライブに来た可愛らしい女の子ばかりで、少し私は浮いているような気がした。

そこに自分がいることがなんだか耐えられなくて、下を向いてアルバイト先へ走って向かった。





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