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「 そこまで! 」
教師の声に見直しをしていたテスト用紙を後ろから回収に来た生徒に渡して、グッと大きく伸びをした。
自己採点だと合格ラインを大幅に上回っているから、あまり気に病む必要はない。
「 土曜日なのにお疲れさん。気をつけて帰れよ 」
筆記用具をしまい、スクールバッグの中に無造作に突っ込んだ。
立ち上がると椅子が床と擦れて耳障りな音を立て、周りの生徒の注目を浴びてしまったが、気にもせず私は教室を走り出た。
「 はぁ、はあ、はっ 」
土曜日で生徒のほとんどいない廊下を全力で走り、昇降口 目指してひたすらに階段を駆け下りた。
途中 生徒指導の先生とすれ違ったときは心臓が止まりかけたけど、「 音海が廊下を走ってる…? 」と信じられないものを見る目で硬直しているだけだった。
「 はあ、だめ、息が… 」
靴箱からローファーを床へ放り投げ、足を突っ込んでから走りながら踵を入れる。
外に出ると既に一台の車が待機していて、運転席の窓が開き、笑顔で手を振るお母さんの姿を確認。
「 ごめ、おかあ、さ 」
「 そこにお茶あるから飲みなさい。えっと、Aがアルバイトしてる地区のドームでいいのよね? 」
「 うん 」
「 ギリギリだろうから、とばすわよ。シートベルトしっかり締めてね 」
私は、しわくちゃのチケットを眺めて頷いた。
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瀬永ゆう(プロフ) - ここちさん» ありがとうございます!是非読ませていただきます! (2021年10月27日 6時) (レス) id: 4117ae44bf (このIDを非表示/違反報告)
ここち(プロフ) - 瀬永ゆうさん» 承認致しました。これからも小説共々よろしくお願いいたします! (2021年10月26日 21時) (レス) id: c2fb8c431e (このIDを非表示/違反報告)
瀬永ゆう(プロフ) - ここちさん» お返事ありがとうございます!了解しました!申請しておきます! (2021年10月26日 18時) (レス) id: 4117ae44bf (このIDを非表示/違反報告)
ここち(プロフ) - 瀬永ゆうさん» こんにちは。はい、Musicです!けれど私、間違えていました。スコアランキングではなく、イベントポイントランキングでした。汗 ユナという名前です。お手数おかけします…本当にごめんなさい (2021年10月26日 14時) (レス) id: c2fb8c431e (このIDを非表示/違反報告)
瀬永ゆう(プロフ) - ここちさん» ありがとうございます!フレンド申請させて頂きます!musicの方ですよね?ユーザー名は瀬永ゆうです! (2021年10月26日 6時) (レス) id: 4117ae44bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ここち | 作成日時:2021年10月12日 23時