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たくさんの話を聞いた。色々聞きすぎて情報を処理しきれていないけれど、涙だけはとめどなく溢れていく。
「 Aちゃん… 」
「 ありがと 」
嵐くんから花柄の可愛らしいハンカチを受け取り、そっと目元に押し当てるけど、それは止まることを知らない。
レオくんと初めて会ったあの日が【 チェックメイト 】と繋がって、悲しくて辛くて苦しくて。
公園に散乱していた泥にまみれて使い物にならない五線譜は、きっと彼が震える手でペンを握った結果なんだと思う。
「 ちょっと話しすぎちゃったかな。ごめん、店も閉まってるのにねぇ。友達だっていうんだし、話しておいた方がいいと思ってね 」
「 ううん、大丈夫。お爺さん、とっても優しい人だから 」
涙がようやく止まり、「 洗って返すね 」とハンカチをポケットにしまおうとしたが、「 気にしないでいいのよ 」とスっと取り上げられてしまった。
完璧なウインク付きで。
彼は、そんじょそこらの女の子より女の子なんじゃないか。
「 教えてくれてありがとう。皆にとっても、辛いことだったのに、話してくれてありがとう 」
「 ……こっちこそ、ありがと。俺たちが一緒にいられない間、れおくんの支えになってくれて 」
「 うわぁ、セッちゃんがありがとうだって。こわぁい 」
「 人が真剣な話してる間にぐーすか寝てたくせに、起きたと思えばそれぇ？ 」
泉くんは凛月くんの鼻を軽く摘んでから立ち上がる。
「 とりあえず今日は帰る。A、スマホ出して 」
「 え、はい…？ 」
「 ロック解除して。王さまのことで連絡したい時とかあると思うし、登録しとく。俺と、なるくんとくまくんの分も入れとくからぁ 」
慣れた手つきでスマホを操作する姿を見て、私は内心アイドル科と連絡先交換しちゃっていいのかとハラハラしていた。
返されたスマホには、友達欄に『 瀬名泉 』、『 鳴上 嵐 』、『 凛月 』が追加されていて、焦ったところでもう手遅れなのだと実感した。
「 じゃあ、Aちゃん、また来るわね！ 」
「 ばいばいス〜ちゃん 」
嵐くんと凛月くんに手を振り、最後の泉くんを見送ろうと入口付近で待機するが、彼は動く様子を見せない。
名前を呼ぶと、彼は人差し指で何かをくるりと回した。
「 外も暗いのに、一人で帰すわけないでしょ。送る 」
それは、バイクの鍵だった。
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ここち(プロフ) - momoさん» momoさんコメントありがとうございます！ 自己満小説になっていないかと思っていたので、そういった意見をいただけて本当に嬉しいです。とても励みになります。これからもよろしくお願いします。 (2021年10月3日 14時) (
レス) id: c2fb8c431e (このIDを非表示/違反報告)
momo - めっっっちゃ好みです。。。Knights大好きだし話の展開っていうかもう色々ドストライクすぎてイッキ読みしてしまった、、あと泉くんイケメンすぎて惚れました…続き凄く楽しみです！更新頑張って下さい！！ (2021年10月3日 1時) (レス) id: d97a5a4175 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリ | 作成日時：2021年9月23日 4時
