完美の盾 その2 ページ36
Aは、暗い、誰もいない路地裏のようなところで目が覚めた。
「んん……？あれ、ここどこだ…さっきまで俺は精神世界で………そ、そう！あいつらと戦っていたんだ！」
「…！喋れる！承太郎は抜いてくれたんだな……どこだ、承太郎！ポルナレフ……ぐっ！？」
ふと左腕を見る。
骨がめちゃくちゃに折れているようだ。
もう使えない。
(くそ……骨が折れている。きっと戦った時に負った傷だろう……さて、どうしようか)
……。
(もう使えないのなら、要らない)
Aは、護身用に持っていたナイフを取りだし、自身の腕を切り落とした。
「ッ……！」
(いてぇ、凄く痛い。死ぬ、死ぬほど痛い……だが……！)
「俺には……やらなくては……ならない……使命が……ある……まだ、まだ承太郎君たちは遠くへ入っていないはずだ……行こう…行かなくては…！」
切り落とした腕はそのままにし、血塗れの方の部分を、持ってきた少しの包帯でまいた。
(応急措置ぐらいにはなるだろう)
そして1歩、また1歩と歩いて、歩道へでた。
歩道へ出ると、一言で言えば「カオス」だった。
レストランにいる人々はみな、ザ・ワールドにやられたのか、普通ではありえないことをしている。
そして、上を見上げると、見知った男2名が空中飛行をしていた。
「承太郎君と…DIO……！？」
そう思った次の瞬間、DIOが勢いよく吹っ飛ばされ、店の中に頭からいった。
「！？」
なんだ、なんなんだ、さっきからやつは瞬間移動している。
(ザ・ワールドか……！？)
遠くてよく聞こえないが、承太郎とDIOは何か会話をしているようだった。
(もう少し、近づいてみよう、少しだ…半歩くらいだ…)
そしてはっきり見えた。
やつ、DIOは両手、いや、両手にも余るの度のナイフを持っていた！
(どうするつもりだ！何をするつもりだ！DIO！……くっそ、わからねぇ、分からねぇが……今！承太郎が追い込まれているということはわかるッ！)
走る。奴らの方向へ。
死ぬかもしれない。いや、死ぬな。
だが走るのを辞めなかった。
「Aッ！？」
「ザ・ワールド！時よ止まれ！」
「……Aか。まだ生きていたのだな……さてどうしようか。承太郎を殺すかAを殺すか。やつのスタンドは厄介だが、このザ・ワールドで殺そうとすると承太郎が止めに来るかもしれないなぁ。なぁ、承太郎？だが私は宣言してしまったのだ貴様を殺すと……だが！！！」
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作者名：小松 | 作成日時：2019年9月2日 18時
