精神世界 その2 ページ30
「…俺のスタンドはバリアを作れる。本当なら殴りたいが俺のスタンドはそーゆーのには向いてねぇんだよ」
「今からお前をゆっくり、ゆっくり殺そうと思うんだけど……あの、さ……姉ちゃんの姿はやめてくれないかな。姉ちゃんを痛めつけてる見てぇだからよォ…」
「ふむ……わかったよ、違う姿になろう」
そういい、ヤツはあの吸血鬼になった。
俺の、俺らの人生を狂わした、姉ちゃんを殺したアイツに。
「これなら、君も躊躇しないで殺せるだろう？」
ニヤッと笑う。
ああ、これなら大丈夫だ。
「そうだな」
「俺はさ、相手の裏をかく〜とか、あったま悪いから出来ねぇんだ。だから最初っから真っ直ぐ行かせて貰うぜぇ〜？龍虎君よ」
「あぁ」
「
ヤツの周りはバリアで、外には出られないようにした。
「バリアにはよ〜、こーゆー使い方もあるんだよねぇ」
バリアはどんどん、どんどん狭まっていく。
このまま行けばヤツは押しつぶされて、死ぬだろう。
なんだ、楽勝じゃあないか。
さぁ、あとすこしで押しつぶされ……
「ッ……！？」
痛みが身体中を走った。
圧縮されるような、そんな感じの。
なんだ、何が起きた。攻撃されたのか？
「俺の痛みは君の痛み、君の痛みは俺の痛みさ」
「言っただろう。俺は君で君は俺なんだ。俺を殺すと君も死ぬ。精神的にも、肉体的にも」
「それと、俺はここがどこか知っているが、ここに君を呼んだのは俺じゃあない。君だ。君が来たのだ」
「はぁ…？」
「とりあえず、バリアを解除してはくれないかい」
「はぁっ！？ダメだね！俺はお前をまだ信用してねぇ、だが話は聞くからバリアの範囲を広げてはやるぜ」
「ありがとう」
やつはそう言うとこちらを真っ直ぐ見て言う。
「改めて自己紹介させてもらう。
俺は君の"記憶"だ。俺を傷つけるのは君を傷つけ、そして君の記憶を傷つけるんだ。OK？」
「あー、OK…」
「ん。そして、君は今、君の魂が俺の"記憶の世界"に入り込んでしまったんだ。勿論俺が何かしたって訳じゃあないぜ」
「記憶の世界…？」
「あぁ、要は精神世界さ。ほら、右を向いてご覧。あそこに映し出されているのは君の御家族だ。」
「……あぁ、だから父さんと母さんの声がしたんだな」
「そう、そしてこれからが本題だ。よく、聞いて欲しい―――。」
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作者名：小松 | 作成日時：2019年9月2日 18時
