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龍虎という男 その2 ページ25

DIOは、Aを連れて歩く。

「……DIO、様……これからどちらに行くのですか」
「…車……」
「車?」
「このDIOが産まれた時代にはこんなものはなかった……A、車で行くぞ」

DIOは淡々とAに話しかける。
Aは悔しいという気持ちよりも、自分の
「吸血鬼をこの世から消し去る」という気持ちはこれ程までにあっさり折れるのかという想いの方が強かった。

「分かりました、ふん…あの車でいいか。中々スピードも出そうな良い車だ」
「おい!そこのお前ェッ!な〜に入ろうとしとんじゃいボケ!」
「うるさいなぁ」

男を睨みつけると、男の鳩尾を殴る。
男は呆気なくたおれると、Aは扉を開け
DIOは車の中へはいる。その中には政治家の男が1人いた。

「……おい、そこの男。この車を運転しろよ」
「君は何を言っているんだ、私を誰だと思っているのかね?」

Aは男を窓へ叩きつけ、ため息をついた。

「もう一度言う、運転しろ。さもなければ殺す」

男の頭からは血が流れていた。
男は「ヒィィッ」と小さく悲鳴をあげる。

「早くしろよ、前歯おるぞ」

男は壊れたように目の焦点があわなくなり、
呆れたAは、男を運転席に投げた。
そして護身用に持ってきたハンドガンを男のこめかみら辺に当てると、淡々と静かな声で言った。

「走れ、前の車を追うんだ。追いつけなかったらてめぇの命はねぇと思え」
「は、はひぃ〜ッ!」

と、可笑しな速度で車は走る。
DIOは何を思うわけでもなく、そのただならぬオーラだけ醸し出していた。

「あ、あのぉ……渋滞です」

そしてDIOは歩道を見て言った。

「行け、そのまま」
「行けって……どういう?」
「歩道が空いてるじゃあないか……」
「えっ!まさか……ちょっと待ってくださいよぉ〜……歩道には沢山の人が……」
「行け、殺すぞ」
「ヒィィッ!」

男は言われるがまま歩道に移動する。
次々と人が死んでいく。
泣く人、逃げる人、動けなくなる人、写真を撮るもの、電話するもの。
色々な人がいた。
Aはただそれを、窓から眺めていた。
不思議と可哀想という気持ちはなかったのだ。
Aは、それに気づくと恐怖を感じた。
段々と自分の体、いや…心まで支配されて言っているッ!これが"肉の芽"!"肉の芽"は感情をコントーロールする物だったのかッ!
AはDIOを殺そうと思った、が、スタンドを出すどころか手さえも挙げられなかった。

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作者名:小松 | 作成日時:2019年9月2日 18時

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