第一章 ページ3
その日、松風天馬は少し遅刻気味だった
天馬「まっずいなぁ、格好つかないよ、キャプテンが遅刻なんて絶対まずい!」
全力疾走で正面校舎からサッカー棟へ向かう
風を受けてなびく天然パーマの柔らかなウェーブが、足を動かすたびにリズミカルに揺れていた
急ぐのには理由がある、今日は中学サッカー協会から重大な知らせを持って、あの響木正剛がこの雷門中サッカー部にやってくるのである
校舎を曲がった時、天馬は前を歩く大きな背中に、顔から思い切り激突した
天馬「んがっ!」
弾力のある肉の壁に天馬が頭からずっこける
天馬「いててて...」
ぶつけた頭をさすりながら体を起こすと、彼の目の前に手が差し出された
正剛「相変わらず、そそっかしいな」
天馬「ひ、響木さん!?」
天馬が見上げると、そこには当の響木本人が立っていた
『.........』
響木の隣には、帽子を深く被った少女が立っている
その少女に疑問を抱きながらも、響木にきびきびと一礼した
天馬「サッカー部はこちらです!ご案内します!」
正剛「なーにを緊張しているんだ、雷門のサッカー部棟ぐらいわかってるぞ」
天馬「いえ、そういうわけにはいきませんので!」
右足と右手が一緒に出るほど緊張している天馬に、響木は苦笑しながらも後をついていくのだった
『......あの子なら...』
少女はそう小さく呟き、響木と天馬についていった
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作者名:ホイップ | 作成日時:2016年4月28日 15時