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プロローグ ページ1

どこまでも続く野原の大地に一人の少女が立っていた


綺麗で、新しく仕立てられた様な巫女服を身にまとい、右手にはスノードロップを持ち、ただ、野原の上に立っている


彼女の前にも後ろにも、ひたすら野原と、黒い雲に覆われていた


その光景を見つめながら、少女は哭いていた


声を出すこともなく、しゃくりあげることもなく、ただひたすら二つの瞳から黒い涙を流し続けていた


ここには彼女を心配するものもいない


彼女に害をなす者もいない



  誰もいない


その事が、彼女のココロを強く圧迫した


やがて、そのソウボウは天に向けられる


死の雲と呼ばれるものが彼女の立つ大地を覆う


まるで闇の様だ




憎め、私から父を奪ったものを


憎め、私から母を奪ったものを


憎め、私から友を奪ったものを




憎め、ワタシから全テを奪ったもノヲ


彼女の感情の奔流はやがてひどくおぞましい色をした靄となり彼女自身の身体を虜にする


力強く握りしめた拳から、枯れ果てた花が崩れて落ちた


その花弁が、雄蕊と雌蕊が、茎が、負の靄に取り込まれ、地上から空へと舞い上がる


強烈な力の波が周囲の草を巻き上げて巨大な嵐の様になっていく


その中心で彼女は雄叫びを上げた


すると、楽園の様に鮮やかだった場所が一瞬にして荒れ果てた大地へ変わっていく


『変えなければ、この腐ったセカイを』

......フランも、元に戻さなければ


少女は拳を天に上げたとき、空中から謎の異空間ができた


異空間の中に少女は入っていく


一泊の間を置いたのち、彼女の姿はその地上から消え去っていた


あとには、何事もなかったかの様に荒れ果てた大地が広がっているだけだった

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作者名:ホイップ | 作成日時:2016年4月28日 15時

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