２１戦闘訓練-2 ページ22
･
「いつまでも“雑魚で出来損ないのデク”じゃないぞ…かっちゃん僕は…
“『頑張れ！！』って感じのデク”だ！！」
そう叫んだ緑谷。
それは一部の人間にしか意味がわからないだろう。
麗日が学校帰り、デクに言った言葉だったからだ。
「ビビりながらよぉ………そういうとこがムカツクなぁぁ！！」
そしてその時、爆豪が一人で何かを話している。
恐らく飯田からの無線だろう。
「黙って守備してろ…！ムカツいてんだよ俺ぁ今ぁ…！！」
怒りと興奮で呼吸が荒くなっている爆豪。
無線をぶち切られただろう飯田は何だか可哀想だが仕方がない。
『…怒らせないでおこう』
「無理だな」
『おい』
Aはやはり爆豪を怒らせるのはまずい、と密かに思った。轟焦凍には即否定されたが。
「アイツ何話してんだ？
定点カメラで音声ないとわかんねぇな」
「小型無線でコンビと話してるのさ！
持ち物は＋建物の見取り図
そしてこの確保テープ！コレを相手に巻き付けた時点で“捕えた”証明となる！！」
「制限時間は15分で“核”の場所は“ヒーロー”に知らされないんですよね？」
「YES！」
「ヒーロー側が圧倒的不利ですねコレ」
芦戸三奈がそう言うと、周りも頷く。
「相澤くんにも言われたろ？アレだよ
せーの！」
「「プルス ウルトラ」」
…と、みんな声を合わせて言ったつもりが、青山優雅の「あ ムッシュ爆豪が！」の一言にかき消された
『(オールマイトの顔が…！)』
笑っているが少し切なそうなオールマイトの表情に思わずAは吹き出してしまう。
再びモニターに目を移すと、爆豪が爆破しながら緑谷に迫っていた。
「麗日さん行っ
…ぐ！！！」
「余所見か余裕だな！！」
その間に麗日が駆け出す。
これだけ見れば緑谷が押されている、と思うだろう。
『なるほど…』
「…どうした？」
『ちゃんと考えてる。』
Aは緑谷の考えに気づいていた。
緑谷の手に持たれたテープが爆豪の足に絡められる。
「確保証明のっ！
くそが！」
そしていつもの右の大振りが繰り出される。
「すげえなあいつ！！“個性”使わずに渡り合ってるぞ
入試一位と！」
緑谷のオタク知識が今、役に立ったのだ。
咄嗟に体勢を立て直した緑谷は作戦を立てる為その場から離れた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 98人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おもち
| 作成日時：2019年3月24日 23時
