１１昔のはなし-2 ページ12
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“Aちゃん最低！”
“ひどいよ！”
“ごめん…！ごめんなさい…！そんなつもりなかったの…！”
『…久々に思い出したなぁ』
轟焦凍が家を出ていった後、Aは部屋に戻り、一人で再び写真を眺めていた
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「…私の個性はね！“発生”って言ってね！
なんでも出せるよ！」
「えー！すごい！みせてみせて！」
小さい頃のAは得意気に、“発生”という個性を使って花を出してみせた
「…あれ？一輪だけ出そうとおもってたのに…五本もでてきた…。みんなにあげる！」
「ありがとう！」…「嬉しい」…「綺麗！」
みんながそう言って笑ってくれるのが嬉しく、Aは調子に乗ってしまった
上手く個性のコントロールが出来ない癖に、だ。
「次は何出して欲しい？」
「雪！」
そこにいたうちの一人の女の子がそう言った。
「おれもみたい！」「わたしも！」
「わかった！雪ね！」
言われた通りに雪を“発生”させたA。
…いや、雪を、発生させたつもりだった。
「なにこれ！」
「吹雪だよ！！」
そこに発生したのは、想像していたふわふわの柔らかな雪ではなく氷の混じった吹雪だった。
「ど、どうしよ…止まらない！」
パニックに陥ったAは雪の発生を止めようとしたが、止める方法がわからない。
「痛っ…！」
一人の男の子が腕を抑える
「血が出てる！！」
抑えた所から、血が流れている。
吹雪に混じった大きな氷が突き刺さったのだ。
「っ…Aちゃん！止めてよ！」
そんな事言われても、止められない
「最低！痛っ…」
次から次へと、切り傷や刺傷が増えていく周りの友達。
「…っ…どう、しよう…！」
この頃のAにはまだ“治癒”という個性は生まれておらず、治す術はただ一人、Aの母親だった
「…ちょっ、どうしたの！」
そのハプニングが起きてからしばらく経っていたようで、その時タイミング良くAの母親が買い物帰りにAを迎えに来た。
「おっ、おかあさん！助けて！！」
「なっ…！」
母親もゾッとしただろう。
辺りは血を流して倒れているAの友達ばかり。
ただ、Aだけは傷一つ無く。
Aの母親が傷を負ったAの友達を次々に治していく。
Aはその様子をただ震えて見えいるだけだった。
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作者名：おもち
| 作成日時：2019年3月24日 23時
