１０昔のはなし ページ11
･
『ぶっはははは！！』
「笑い方だろ」
『いやさすがにこれは笑う！』
私たちは今、小さい頃のアルバム写真を眺めている
『…何この顔！2人とも半目じゃん！』
「確か…俺がAんちに初めて来た時撮った写真だな」
『2人ともキメ顔が分からなくってとりあえずカメラ目線で写ろうと思ったらこうなったんだよね』
どうしたら半目になるのかはわからないけど。
でもとりあえずショタ焦凍可愛すぎる…天使だ。
「…この近くの公園でお前よく泣いてたよな。ぼっちで」
『泣いてた泣いてた。…一言余計だよねそれ？』
いじめられて泣いてたところを焦凍に助けてもらったんだっけ。
その時、小さい頃の私から見たら焦凍は私のヒーローでもあり王子様に見えた瞬間だったな〜
今でも鮮明に覚えてる
「それから仲良くなって…今でもなんだかんだ続いてる」
『最高の運命を辿ってる気がするよ。』
「え、そうか…？」
『いやそんな疑うような顔しないで頂きたい悲しくなる』
そう言うとくすくす笑った焦凍。
まって、笑い方がおしとやか…
さっきの私の笑い方とは大違いである。
『私が泣く度に“おれがまもる！”って言ってくれたの今でも忘れられない』
「あー…いや……そうだ、ったな…」
おっと、照れたように顔を覆うその仕草も可愛いなんて…女子力において絶望的に負けてるよ私。
“そんなヒーローにもいざとなった時のためのヒーローが必要だから、私もヒーローになって焦凍くんを守るから！”
私が小さい頃に言った言葉。
今でもちゃんと守ってるよ
「……帰りたくねぇ…」
小さく呟いた焦凍。…お父さん、かな
『一生うちにいてもいいよ』
「馬鹿」
焦凍の暗い顔が少し晴れた。よかった。
「…お菓子とジュース、ありがとう
…そろそろ帰る」
『ん。またいつでも来ていいよ
焦凍なら朝昼晩、お風呂の中でも大歓迎』
「じゃ、また明日」
『あれ？わざと聞いてない？』
私のアタックを華麗にかわしてくなんて…
さすがとしか言えない。
『来てくれてありがとうございます、また明日！』
「なんで敬語なんだ…？あぁ、また明日」
焦凍が尊すぎて敬語になってしまった。
明日も一緒に登校出来るのか。
…楽しみだな
…そうして私は若干ニヤニヤしながら焦凍の後ろ姿を見送った。
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作者名：おもち
| 作成日時：2019年3月24日 23時
